老化と加齢の違い【老化は治るの世界観 第2回】

「老化は治る」と聞き、「ふむふむ」と納得する方はいかほどでしょうか。どこかで聞いたことはあっても、それを友人や顧客の方に十分に説明出来る人は少数だと思います。

今回は、東大医学部を卒業し、銀座で美容皮膚科クリニックを経営する乾雅人医師によるセミナー、「新常識『老化は治る!!』美容への応用はいかに!?」特別企画です。3回にわたり、“老化の新常識”を解説していただいています。2回目の今回は「老化と加齢の違い」についてお届けします。

第1回の記事はこちらから↓

https://esthe.media/v/column/9318

老化と加齢は違う

 前回は、ウェルナー症候群やダウン症候群などの早期老化症を例に挙げました。遺伝子レベルの異常により、老化が加速する病気のことでした。これにより、細胞の設計図である遺伝子に、何かしらのメンテナンスをすれば、老化が減速する可能性がある世界観が提示されました。今回はもう少し、老化について深堀りしてみましょう。

 まず、そもそも、「加齢=aging(エイジング)」、「老化=senescence(セネッセンス)」と、表現が違います。加齢に対応するのが、暦年齢です。生年月日と、現在の日付で決まります。一方、老化に対応するのが、生物学的年齢です。これは様々な尺度があり、肌年齢、髪質年齢、腸管年齢、免疫年齢、血管年齢、といったものがあります。最も身近なのは、ヨガやピラティスなどの結果を知るために使うであろう体組成計で測る、体年齢ではないでしょうか。生物学的年齢は、年齢が増えたり減ったりします。また加速したり、減速したりもします。フィットネスジムで体組成計の計測などは、皆さんにとっても身近な例かと思います。

ここで、一度、整理してみましょう。

 加齢:一定の速度で、一方向性に進むだけ
 老化:加速したり減速したり、方向も巻き戻ったりする

いかがでしょうか?。加齢と老化、意味合いが大きく異なることが伝わるかと思います。こう考えると、「加齢は巻き戻せないけど、老化は治せるんだ」と思えてきませんか。

 そして、最近では、遺伝子レベルの状態を計測する生物学的年齢、エピジェネティック・クロックという考えも提唱されています。難しいので、可愛らしく『エピゲ年齢』で良いです。ざっくり、日々の生活だけで、遺伝子にも汚れが溜まるので、クリーニングをすると『エピゲ年齢(遺伝子レベルの年齢)』が若返るんだな、と思っていただいて結構です。

 この『エピゲ年齢(生物学的年齢の計測の一つの指標)』を巻き戻すことが、医学では新常識となっています。具体的には、長寿遺伝子と呼ばれるサーチュイン遺伝子がそれに相当します。昨今、長寿サプリとして話題のNMN(ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド)等もそうです。昔ながら知られる、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールや、乾雅人医師一押しの5デアザフラビン(TND1128)も同様です。

皆さんも、医学の常識の変化を、賢く、美容に応用しましょうね。

最終回である次回のテーマは「長寿遺伝子は存在する?」!次回もお楽しみに!

解説してくれたのは

銀座アイグラッドクリニック 院長

乾 雅人 先生

東大医学部卒。外科専門医資格を取得の後、自然美の追求に特化した美容皮膚科クリニックを経営。世界中の薬液を用いて、細胞の活性化を検証している。

Youtubeチャンネル:『医療・医学・医者の常識を揺さぶる』

※乾先生の記事をもっと見たい方は、こちらからチェック!※

乾先生登壇!「新常識『老化は治る!!』美容への応用はいかに!?」

このセミナーで学べること

□「老化は治る」とは?
□細胞・遺伝子レベルで読み解く老化の本質
□“老化を治す”具体的な方法や有効成分
□接客で活用できるトークスクリプト事例

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