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AWP(アクネワクチンペプチド)【今更聞けない!?エス通美容用語辞典vol.33】
日々美容に携わるエステティシャン。美に関する言葉は身の回りにあふれていると思います。
昔からある伝統的なものから、最新の医学に基づいた流行のワードまで……
『美の専門家』として常に新しく正しい知識をインプットしてお客様からの信頼を得たい皆様へ向けたエス通監修美容用語辞典をお届けします!
概要
思春期にニキビ(尋常性ざ瘡)はつきものですが、ワクチンで予防できる日は近いかもしれないと言う朗報です。
ニキビの発生には、皮膚に普段から住み着いている細菌(常在菌)が放出する毒素が関係していますが、この毒素に効くワクチンの開発が進められています。今回マウスやヒトの組織でこのワクチンを使用して、ニキビの炎症を抑えることに成功したと報告がありました。
ただ残念なことに、まだ実際の人に投与して効果があったかは分からず、ニキビ抑制が十分なものか、他に副作用が出ないかは分かっていません。思春期の頃の大きな悩みが一つ減るようになることを期待したいところです。
美容へのアプローチ
通常のワクチンとは概念が異なり感染・発症していても治療ができます。
基となる成分は、“ペプチド”と呼ばれ、ニキビ菌のDNA配列から菌体成分の異物性となる部分を解析し、その菌の抗原ペプチドと呼ばれる単鎖の蛋白を人工的に合成したものです。このペプチドは年齢性別人種を問わず、今までの症状ではほぼ100%のニキビ菌に有効性が認められています。
原則として週1回ニキビワクチンのパッチを使用することにより血中の抗体価を高めていきます。
私たちはニキビ菌由来の合成ペプチドを用いてさらに身体に抗原刺激を加え、体内に抗体を誘導することができれば、過剰な炎症反応が徐々に沈静化してニキビの改善につながると考えられています。
治療は勿論、化粧品やエステティックの範疇ではありません。無理をせずに、エステティシャンとして、専門家の相談を仰ぐことを勧めて差し上げるのが良いと思います。
解説してくれたのは
紫関 奈保美
カネボウ化粧品美容研究所出身。
44年に渡り美容業界に従事。トータルビューティーカウンセリングを行ない、国内外累計は400,000人。
北里大学や東海大学で形成外科医の先生とリハビリにも参加。 医師の精神科医・皮膚科医の先生方と親交がある。