メンズ美容ブーム到来!男性の美容ニーズを知って戦略的サロン経営を 【前編】

昨年、一般誌で注目ワードになっていた“メンズ美容”。
たしかに最近はスキンケアを怠らない男性やメイクアップを楽しむ男性が増え、メンズ美容の市場も拡大しています。
とはいえ、肌が触れ合う「エステティック」の分野でメンズ需要に簡単に応えられるものなのでしょうか?
本記事では、エス通がメンズのエステ需要とメンズの集客に成功したサロンの秘密を徹底リサーチしました!
男性が思わず通いたくなるようなエステサロンの秘密を詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

男性のエステ需要を徹底調査!メンズ美容のニーズを数値で知ろう

意外と知らない、世の男性の美容事情。美容に興味を持つ男性のエステ需要を知って、サロン運営に活かしましょう!

Q1 美容に興味がある男性ってどれぐらいいる?

全国の20〜39歳の男性・4273名が調査対象となった。

〈出典〉男性専門の総合美容クリニック「ゴリラクリニック」調べ

20代・30代の2人に1人以上の割合で、美容に興味のある男性が半数以上であることが分かります。エステ業界にとっても男性需要は見逃せない市場ですね。

Q2 男性のサロン利用率・利用経験率は?

※2017年上期まで女性の6分の1のサンプル数で実施/2018年上期以降は女性と同数の「15~69歳・6,600サンプル」で実施
※利用率:「過去1年間の1回(程度)以上利用者」の割合
※利用経験率:「過去1年間の1回(程度)以上利用者」+「ここ1年間の利用はないが、過去に利用したことがある人」の割合
〈出典〉ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2020年上期」調べ

美容に興味がある男性の割合に比べて、フェイシャル・ボディのエステを実際にサロンで施術した経験のある男性の割合は多くありません。このことから、男性のエステ需要をまだ取り込み切れていないエステ業界の課題が見えてきます。

Q3 サロンの利用目的に男女差はある?

●フェイシャルの利用目的(エステサロンフェイシャル利用者/複数回答)

〈出典〉ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2020年上期」調べ

●ボディ・痩身の利用目的(エステサロンボディ・痩身利用者/複数回答)

〈出典〉ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2020年上期」調べ

サロンの利用目的は男女間でほぼ共通しており、「きれいになりたいから」という目的で一致しています。このことから、男性にも美容エステの需要は充分にあると考えられます。また、男性の利用目的に、女性にはない「癒し」を求めている点も着目するべき点ですね。

Q4 男性のエステ脱毛利用率・利用経験率は?

※2017年上期まで女性の6分の1のサンプル数で実施/2018年上期以降は女性と同数の「15~69歳・6,600サンプル」で実施
※利用率:「過去1年間の1回(程度)以上利用者」の割合
※利用経験率:「過去1年間の1回(程度)以上利用者」+「ここ1年間の利用はないが、過去に利用したことがある人」の割合
〈出典〉ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2020年上期」調べ

男性のエステ脱毛利用率は、2016年から右肩上がりで増加している傾向があります。メンズ脱毛の需要もエステ業界では見過ごせない市場です。

Q5 男性に人気の脱毛部位は?

※2020年から「髭」を新規で追加
〈出典〉ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2020年上期」調べ

調査項目に「髭」が追加された2020年には、高い割合で髭の脱毛に対する需要が反映されています。ただし、顔だけではなく全身の脱毛にまんべんなく需要があることは着目するべき点ですね。

男性のエステ利用は増加傾向!男性の美意識は顔だけから全身に!

男性のフェイシャル・ボディのエステ利用率は5%~6%となっており、直近の5年間で見ると増加傾向にあります。

メイクをする男性なども近年では当たり前の存在となっており、男性でもきれいになりたい欲求を我慢する必要はありません。

エステ脱毛の分野でも、身だしなみを目的とした髭の脱毛だけではなく、全身のムダ毛処理に興味を持つ男性が増加しています。

エステ業界としては、成長市場とも言える男性のエステ需要を取り込むための取り組みが重要です。

美容男子は年々増えている

男性の美容系サロンの利用率・利用経験率はここ5年で多少の変動はありつつも、基本的には増加傾向にあります。

本調査を行なったホットペッパービューティーアカデミーの田中公子研究員は、前年の調査ですでに男性のファンデーション購入率が増加していたことを踏まえ、今回の結果を「男性の美意識は顔から全身に広がっている」と分析されています。

また、サロン利用率は若年層ほど高く、とくに10代男性では10代女性の利用率を上回っていたという結果も出ています。その背景として考えられるのはSNSの存在です。

SNSに身近な世代にとっては、フォロワーに自分がどうみられるかには非常に敏感で、コンプレックスがあるとプロに頼る傾向が表れているのではないでしょうか。

きれいになりたい男性にエステ需要がハマる

美容系サロンの利用目的としてもっとも多いのが「きれいになりたいから」。

また「自分に自信を持ちたいから」「疲れを取りたいから」「癒されたいから」という理由もランクインしています。

これらは男女ともに5位以内にランクインしており、サロンに求めるところは男女差がないことがうかがえます。ただし「身だしなみを整えたいから」というニーズは男性ならではのものです。ビジネスシーンにおいても美容が重要になってきていることがうかがえます。

それを裏付けるかのように男性のエステ脱毛利用率・利用経験率は年々増加しており、とくに髭の脱毛を行なう男性が多いようです。また、興味深いのはヒザ下の脱毛が髭とワキに次いで3位に入っていることです。ハーフパンツから露出する部分にも気遣う男性が一定数おり、男性の美容需要が全身に広がっていることを裏付けています。

男性のエステ需要を数字で裏付け!男性の美容ニーズを取り込む戦略は?

20代・30代の2人に1人の男性が美容に興味があり、実際に美容系のエステ・サロンを利用した経験のある男性が増加している傾向が調査によって裏付けされています。

ただし、美容に興味のある男性の割合に比べると、実際にフェイシャル・ボディのエステを利用した経験のある男性の割合は多くはありません。これからのエステ経営では、潜在的にきれいになりたいという欲求を持つ男性需要をいかにして取り込んでいくかを考えていくことが「勝ちエステ」の条件です。

後編では、実際に男性のエステ需要を獲得している成功サロンから、男性へのアプローチ方法を学んでいきましょう。

エス通で過去人気だった特集をピックアップした記事をご紹介しました。(2020年11月号掲載)アプリでは過去のエス通バックナンバーもご覧いただけます。ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!

後編の記事はこちら👇

https://esthe.media/v/column/6188