人生100年時代を見据えて今するべきことが学べるバイブル 【(株)SAKITUE代表取締役社長 咲杖尚伽 先生】あの人のバイブルVol.18

人生100年時代を見据えて今するべきことが学べるバイブル

エステティシャンの育成や指導などに尽力されているベテランオーナーが、自身が経営や人生の選択に迷った際に読み返すバイブルを教えてもらう「あの人のバイブル」。

今回は、前回池田幸枝先生がバイブルとして挙げた書籍の著者であり、株式会社SAKITUE 代表取締役社長として活躍されている、咲杖尚伽先生の人生のバイブルを教えていただきます。

池田先生の記事はこちらからチェック!

https://esthe.media/v/column/9949

お話をうかがったのは

株式会社SAKITUE 代表取締役社長

山内尚子(咲杖尚伽)先生

ヴァージナル・セルフケアの創始者

化粧品・サプリメント/開発・製造

シロダーラ Brain SPA 咲杖 経営/施術者

経歴
1958年生まれ。大学卒業後、ノエビア化粧品に入社。5年で東京支社チーフインストラクターに就任。美容を極めるために、エステティックの世界へ。
「美脚サロン」で、美しいレッグラインには、骨格矯正・体質改善が必須と、身体の仕組みを徹底的に学ぶ。
その後、「フォーシーズンズホテル椿山荘ゲランパリ」の初代店長に就任。お客様もスタッフも最高レベルの中で、一流のおもてなしとは何かを学ぶ。
40歳を迎えた年齢で、美容のコンサルティングへとシフト。
ドイツのオーガニックコスメ「アンネマリーボーリンド」と出会い、そのコンセプトと商品に魅せられ以後10年間、事業部のトップとして全国を飛び回ることに。
初の女性役員にも就任し、充実した日々を送っていたが、自身の更年期による心身の変化を機に、女性の一生を応援することをライフワークにという想いで退社を決意。
2年の準備期間を経て、2016年に株式会社SAKITUE(サキツエ)を設立。成長ホルモンに着目したサプリメント「マカフル」に続き、2020年にフェミニンケアオイル「ルナフル」を企画製造。その後、骨盤底筋マシーン「EM PELVI」の代理店になり、フェミニンケアの重要性を伝え続け、2023年に「至福のちつケア」を出版。ヴァージナル・セルフケアの創始者として現在も活動中。

公式サイト:https://sakitue.co.jp
公式ライン:https://lin.ee/o837Yw9
Instagram:@lunafull_official@naoka_sakitue

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ シフト)(東洋経済新報社)』

エステサロンオーナーや化粧品メーカーの事業部のトップの経歴を持ち、現在は自身の会社の社長として活躍されている咲杖先生。美容業界に携わっている期間はなんと40年以上。

そんな咲杖先生がバイブルとして挙げられたのは、リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット先生の著書『LIFE SHIFT(ライフ シフト)』です。

この書籍は人生100年時代をどう生き抜くかを考えられる作品だそうです。

咲杖先生にバイブルについてのお話をうかがいます。

この作品をバイブルとして挙げた理由は?

美容業界に従事していると、「今日も、お客様の笑顔のために頑張った」と、充実した日々を重ねている方が多いかと思います。でも、人生100年時代、それだけではダメなのです。

私自身が気づいたことが、この本に具現化されています。最高の経済学者である彼らが書いた本なので、たくさんの学びが詰まっているのです。

私はこの本の内容を、あがいてなんとかものにしました。若い方々にはこの一冊を読んで、「20年、30年先を見据えたうえで、今を生きて欲しい」そんな思いで選んだ一冊です。

美容業界との出会いから今に至るまでの流れは?

私自身、20歳を過ぎても化粧もあまりせず、美容雑誌も自分で買うことはありませんでした。加えて、「美容=化ける」と捉えていたので、全く自分には縁がないものだと思っていました。

ところが、一度プロのメイクアップアーティストにメイクしてもらう機会があり、そこで外見が変わると内面が変わるということに気付きました。これはすごいことだと感じ、「極めたい!」と思うようになりました。それが、美容業界に入ったきっかけです。

それからというもの、今でもこうして続けられているように、美容業界での仕事は私にとっては天職でした。試練もありましたが達成感もあり、毎日が楽しくて、満たされた日々でした。

「お客様に幸せを与えるには、まず自分が幸せでなければいけない」「前日にどんな嫌なことがあっても、出勤するときはスイッチを入れて、自分がまず幸せな思いに」というマインドセットは、美容業界に入って 学んだことです。

ただ、その後更年期に入り、どうしてもテンションが上がらず、コミュニケーションそのものに魅力を感じなくなってしまいました。同じタイミングで母は要介護になり、「女の一生って何なのだろう」と感じるようになったのです。頑張った先に、こうして寝たきりになって、みんなから忘れ去られてしまうのかという絶望感に襲われました。

そのとき、無気力になり会社を辞めて、今まで手にしたものを手放してしまいました。今となっては過去の体験談として話せますが、これからの人には同じような苦労を味わってほしくないと思います。

この本からくみ取ってほしいことは?

この『LIFE SHIFT(ライフ シフト)』という本の素晴らしい点は、人生は100年あるという点です。日本でも言葉としては広まっていますが、どこか根っこの部分では本当に人生を100年として考えられていないと思うのです。実際は60年とか70年とかで考えている人が多いと思います。

若いころに先を見据えていつ何をするかを考えるのと同時に、100年という長いロードを生きるということを、まずは自覚しなければいけません。

100年の人生を生き抜くうえで、美容のお仕事は素晴らしい武器になります。ITなど一般企業に就職しても、年々新しいことへの対応を迫られ、肩身が狭いことになりがちですし、定年も待っています。ですが、美容は違います。年齢が邪魔になるのではなく、“箔”になるのです。私もこうして65歳にして、現役でいられています。

20代の若い方が40代50代のお客様を接客すると、どれだけ勉強しても、やはりまだ若いから分からないと思われてしまいます。これが同年代以上ならどうでしょうか。私の気持ちを分かってくれるという風に変わってくるのです。

普通のOLさんと比べて、いろいろなことを思うかもしれませんが、美容業界は長く働くことができ、そして年齢に関わらず輝いていられる業界です。だから、今やっていることは必ず将来、役に立つので、できることを全力でやってほしいです。この本は、「人生100年を見据えて、今すべきことを見極めましょう」というメッセージが書かれている本なのです。

幸せとは何かを学べるバイブル

咲杖先生のバイブルは、人生100年時代でどう生きていくかを学べるリンダ・グラットン/アンドリュー・スコット先生の本でした。

●咲杖先生からのメッセージ

若いときは、自分が40代、50代になったときにどうなるかはなかなか想像できないと思います。ただ、いずれそのときが来ます。

日本の女性の要支援・要介護年数は12.5歳で、世界でもトップです。このような不名誉な状態から立ち上がるには、医療従事者の方々だけではなく、私たち美容業界の力が必要だと考えています。お客様が本当の悩みをポロっと話せる、必要な医療とお客様の間をつなぐのも私たちの役目だと思います。

知識と経験は、年齢を重ねるごとに蓄えることができる財産です。今は周りが高収入だったり遊んでいたりして思うところがあるかもしれません。しかし、最後に笑うのは私たちだという思いで、頑張ってほしいなと思います。

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