\成功するサロンの指南書 / Vol.3 失敗する社長が知らない開業/店舗展開の秘訣(b-models 代表:楠本文哉)

「サロン経営をもっと楽しく、カンタンに!」をコンセプトに、サロン経営に関わるすべてを扱う(株)b-modelsの楠本文哉代表によるサロン経営の指南書の一部をエス通誌面で紹介! “絶対に成功したい”サロン経営者は必見だ。

全5回スタート 第3回

Vol.3 【大好評連載】失敗する社長が知らない開業/店舗展開の秘訣

01. サロン売上を上げるために社長が準備する開業セット

エステサロンを開業するための準備というと、ベッド・タオル・美容機器……など、ついついハード面ばかりを考えがちですが、それよりも大切なのがソフト面での準備です。

例えば、集客をするための媒体の申請をどうするか、コースメニューの金額はどうするか、クレジットカード会社・ローン会社をどこにするか。中途解約が出たときの対処法は? カルテは? 評価制度は? など、経営をまわしていくにあたって用意しなくてはいけない細々したものがたくさんあります。

もちろん、個人のオーナーさんがそのすべてを網羅するのは不可能なので、まずは必要なものから取捨選択を。開業後に人やサロンがうまく動いていくための準備を怠らないようにしましょう。

02. 開業段階で失敗する4つのありがちな社長の罠

開業段階で社長が陥りがちな大きな罠が4つあります。一つひとつ、見ていきましょう。
まずは「集客の罠」。「サロンをオープンしたらお客様が来てくれる」という幻想は今すぐに捨ててください。お客様が来ているサロンは、そうなるための準備をし、資金をしっかりかけています。

サロン経営はオープンから3カ月が勝負。そこでいかに集客するかを考えると、オープン時には通常時の3倍ほど、集客のために資金を投入する必要があるでしょう。

2つ目の罠は「採用に関する罠」。美容業界だから給与が低い、美容業界だから労働時間が長いという“昔の常識”は通用しません。日本の人口が減っているなか、優れた人材を奪い合う競争相手はサロンに限りません。他サロンとの比較ではなく、地域の優れた女性が働いている一般企業と比べた給与水準はどうなのか。優れた人材を集めるためには、給与面も含めていい職場環境をつくっていく必要があります。昔の価値観を改め、アップデートしていきましょう。

3つ目は「人任せにしすぎる罠」。「現場のことは現場のエステティシャンに任せればいい」と思っているオーナーも少なくないですが、最初の段階で現場任せにするのはNG。たとえ現場のことがわからなくても、関わって知ろうとすることが大切です。

4つ目は「資金調達の罠」。まずは自分の手持ちの資金でスタートし、「足りなくなったら借りよう」と考えるのは大きな間違い。お金を借りられるポイントは経営がうまくまわるかどうか未知数な開業前。手元に資金があれば、“攻め”にもまわせますし、赤字になったときの補填にも使えます。運転資金として、オープン前にできるだけ借りておくことが大切です。

開業準備に必要なものの例

03. 集客できない社長が知っておくべき重要なこと

エステサロンは、美容室や飲食などといった日常生活において必ず必要になるサービスとは異なり、いわば付加価値的なサービスだといえます。エステティック業界の総売上を理美容業界の売上と比べると約6分の1ほどしかありません。それはつまり、単純に考えて「お客様を集めることは、理美容室の6倍難しい」ということ。だからこそ、「集客は社長としての一番の仕事」というくらいの気持ちでいることが必要です。

「私のサロンのことなんて誰も知らない」という、謙虚な前提に立ち、どうやって知ってもらうか。そのために資金をまわせるかどうか。それが勝負の分かれ目となります。

オープン時という「ブランド認知がゼロ」の状態だからこそ、どうやって新しいお客様を呼ぶのか。また、そのためにどれくらいの広告費をかけるかということをしっかり考えていく必要があると思います。

Profile

株式会社b-models 代表取締役
ゆめづくり東北株式会社 代表
楠本文哉 さん

新卒で大手コンサルティングファームの船井総合研究所に入社。入社4年で美容エステコンサル歴代No.1の年間コンサルティング実績を作り、同社初のエステ部門のコンサルティングチームを設立。 2021年に(株)b-modelsを創業。
ローカルベンチャーサロンゆめづくり東北(株)を経営し、2022年には美容業界をけん引する革新的経営者にも選出されている。


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