\成功するサロンの指南書 / Vol.4 サロン経営は社長が9割(b-models 代表:楠本文哉)

「サロン経営をもっと楽しく、カンタンに!」をコンセプトに、サロン経営に関わるすべてを扱う(株)b-modelsの楠本文哉代表によるサロン経営の指南書の一部をエス通誌面で紹介! “絶対に成功したい”サロン経営者は必見だ。

全5回スタート 第4回

Vol.4 サロン社長の仕事は集客・マーケティング

01. エステ集客の基本の5つのポイント

エステサロンの集客には、基本となる5つのポイントがあります。一つずつ、見ていきましょう。

①エステサロンのライフサイクル/どんな業界にも共通していえることですが、業界が伸びているか伸びてないかによって、集客の戦略も変わってきます。現状のエステティック業界でいえば後者。伸びている業界であれば集客は簡単ですが、売上が伸びていない業界であれば、集客的には苦しい。広告を出せばお客様が来てくれるということはありません。まずはエステティック業界の今の状況を正しく理解しておくことが大切です。

②業態の重要性/では、伸びていない業界で勝つにはどうすればいいのでしょうか。業界全体の売上は伸びていないとはいえ、介護脱毛・フェムテック・ハーブピーリングなど、伸びているメニュー・ジャンルはあります。大切なのは、これから伸びるであろうものに目を向け、「業態を磨き込む」こと。つまり、小手先だけではなく、メニューはもちろん、店名・ロゴ・ベッドのカラー・制服など、を根本的に磨き込んでいくことが必要です。業態の土台をきちんと磨き込んでブランディングしていくことが重要。思想があるかないかで10年後の着地点はまったく異なってくるはずです。

③広告比率と広告予算/年間の広告費用は全体の売上の15%くらいまで抑えられているのが理想的だとされています。15%以下に抑えられていたなら素晴らしいし、それ以上かかっていたら広告戦略に問題があるということ。今すぐ見直す必要があると思います。

④1名当たりの集客のコスト/広告媒体を選ぶとき、ついつい「費用が高い・安い」で考えてしまいがち。ですが、見るべきは広告費用ではなく、コストパフォーマンス。一人当たりの集客コストがどれだけかかったかを媒体ごとに見ていく必要があります。

⑤広告掲載の媒体数/当然のことながら、広告の掲載には多大な費用がかかります。大手の媒体1社に広告を掲載していれば十分かといえば、そうではありません。エステティック業界の広告には薬機法が大きく関わってきますが、万が一、1つの媒体で「このメニューは掲載できない」となってしまったら? 1社にしか広告掲載をしていなかったときの損出は計り知れないでしょう。リスクを最小限に抑えられるよう、あらかじめリスク分散のためのポートフォリオをつくっておくことが大切です。加えて、数社の媒体に掲載することは、お客様がサロンの情報に接する機会が増えるということ。ひいてはサロンの信頼性を高めることにもつながります。最低3社は掲載するようにしましょう。

02.  知っておくだけでTOP10%の集客のポイント 応用編

 広告に掲載するメニューはどうやって決めればいいのでしょうか。「すぐに売上につながるような人気のあるメニュー」「新規顧客の興味をひくメニュー」と考えるかもしれません。ですが、トップ10%のサロンほど、その場の売上ではなく、LTV(生涯価値)を見極め、LTVが高いメニューの広告を出すようにしています。お客様が飛びつくメニューと長期間売上が上がるメニューはイコールではありません。コースを契約されたお客様が、コース終了後、2年、5年と通ってくれるかどうか。入り口で見る目線と、出口で見る目線。そうした視点をかけ合わせて見なければ、サロンを続けていくことが難しいということをトップ10%のサロンは知っているからです。長く経営を続けていきたいなら、より先を見越し、2年後、3年後もやっていけるようなメニューでお客様を呼ぶ必要があります。

広告予算と集客のLTVの例

                                

Profile

株式会社b-models 代表取締役
ゆめづくり東北株式会社 代表
楠本文哉 さん

新卒で大手コンサルティングファームの船井総合研究所に入社。入社4年で美容エステコンサル歴代No.1の年間コンサルティング実績を作り、同社初のエステ部門のコンサルティングチームを設立。 2021年に株式会社b-modelsを創業。
ローカルベンチャーサロンゆめづくり東北(株)を経営し、2022年には美容業界を牽引する革新的経営者にも選出されている。


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