どこまでも本物、結果を追求し美容業界の信頼度アップに貢献したい【株式会社エルピス 代表取締役社長 三谷 愛氏】エステティックへ真摯に向き合うサロン経営者12人が語る 美容業界の目指すべき未来とは

終わらないコロナ禍に、激化する競争、今の時代にエステサロンが生き抜くことの難しさを痛感している人も多いのでは。
そんななか第一線で成果を上げ、サロンオーナーの皆様にとって“お手本的存在”といえる経営者が目指す“未来”についての話から、これからの美容業界の、サロンの、あるべき姿を探る。

エス通オンラインでは、8名へのインタビューを特別に掲載!

今回は、株式会社エルピス 代表取締役社長の三谷 愛氏へのインタビューをご紹介します。

株式会社エルピス 代表取締役社長 三谷 愛氏

家業である「クリニカルエステ花蔵」に入社、2012年より現職。現在、埼玉県を中心に10店舗のエステサロンを経営するかたわら、(株)アデランス美容部門顧問、エステティックグランプリ実行委員も務める。

社会情勢、時代が変わっても 追求すべき理念は変わらない

 おかげさまで「クリニカルエステ花蔵」は2023年でエステティック事業創業から30周年を迎えます。近年はコロナ禍で社会情勢が大きく変わり、検温や感染予防の徹底など、新たな対策が求められるようになりました。しかし、どのような状況においても、「花蔵」として追求すべきは「お客様に確かな肌結果を提供する」ことであり、その信念のもとコロナ禍においても歩みを止めることなく成長戦略を貫いてきました。2021年は熊谷にある2店舗の移転やリニューアル、川越店のフロア増設が続き、10月の浦和店のオープンでかねてより目標としていた直営サロン10店舗運営をついに達成。

 また、2020年に発売を開始した弊社監修のシミケア美容機器『オセロ』も運営サロンに通うお客様だけでなく、全国のエステサロンから大変好評いただいています。発売当初からこの『オセロ』は、今後弊社の柱となっていく事業だと確信しており、製品を通じて弊社がこだわり、追求してきたシミケアへのノウハウ、想いが広まり、お役に立てていることをうれしく思っています。

ブランディング成功への道 「花蔵コスメ」のTVデビュー

 2022年5月には、大手テレビ通販チャンネルより声がかかり、独自に開発した「花蔵コスメ」の販売を開始しました。これもコロナ禍でも変わらぬ“攻めの姿勢”を貫いたもので、大きな勝負だと思っています。もともと私のなかには、サロン店舗は埼玉・行田にある本店を中心に現在の10店舗をひとまずの上限とし、しっかりと土台を固めていこうという気持ちがありました。一方で、埼玉の地で30年間もの長きにわたりシミに特化し取り組んできた「花蔵」というサロンの存在、ブランドを広く知ってほしいという強い想いも。今回のテレビ通販チャンネルへの出演を決めたのは、製品を通してその想いを形にすることができると感じたからです。実際に出演後、テレビを見た人からサロンに直接の問い合わせもありましたし、百貨店店舗に「テレビで見たのですが……あの花蔵さんですか?」と質問をいただくなど、少しずつ「花蔵」の名前が広まっているのを感じます。

 2022年11月には「花蔵コスメ」新製品が発売され、2023年2月には本店横のスペースに新たに「花蔵アネックスビル」をオープンさせる予定。そこには、喫茶店のほか、コラーゲンランプが照らす空間の中で、ヨガやピラティスが楽しめる「美と健康」をテーマにした「花蔵」の新事業、「コラーゲンスタジオ」の出店を計画中。気軽に立ち寄れるスポットとして活用されることで、地元の活性化にもつなげていきたいと思っています。

情報過多の時代だからこそ 本物の技術・知識の提供を

 監修した『オセロ』のプロモーションや実行委員を務めるエステティックグランプリの活動を通じ、ここ数年多くのサロンオーナーと交流して、会話を交わす機会がグンと増えました。そのなかで強く感じるのは、やはり私たちサロン経営者がきちんと正しい知識を身に付け、経営を学び、誠実な運営をしていかなければ、美容業界の発展は望めないということ。残念ながらここ数年、サロンの大規模倒産や施術トラブルなど、美容業界全体の評価やイメージが揺らぐような事例が複数起きています。美容業界は参入に特別な資格がいらないため、誰でも起業しやすい非常に門戸の広い業界です。それゆえ、「エステティック」への理解が足りないまま参入し、活動をしていると思われるケースが見受けられるのも事実。その点からも、もっとエステティックを理解し、誠実に運営できる技術と知識を私たち経営者が学んでいかなくてはならないと痛感しています。真摯なサロンが増えていけば、自然に美容業界のイメージもアップすると思うのです。

 今はネットやSNSが発達し、美容に関するさまざまな情報があふれています。そのためお客様が自身の力で“本物”を探すことも難しくなっていると感じます。だからこそ私たちは常に“本物”を提供しなくてはならないと思いますし、勧める施術や製品については「なぜお客様に必要なのか」をしっかりと説明し、提案するための知識を磨くべき。物価の高騰が続く厳しい社会状況のなかで生き残っていくためにはお客様からの信頼が欠かせない条件であり、そのためにはやはり“本物”であり続けなくてはならないと思っています。「花蔵」では、常にシミと向き合い、肌結果にこだわった施術を提供すると掲げてはいますが、エステの本質は美を通じてお客様の人生や心を豊かにすること。厳しい時代にこそ、エステが必要とされる社会を創り出すためにも、より誠実に、より本物を追求し、お客様に最上のケア、癒しを提供する。そんな経営を貫いていくつもりです。

クリニカルエステ花蔵
1992年の創業以来、真摯にシミと向き合い続け、“結果出し”にこだわり抜いた独自メソッドを提供。これまで築いてきたノウハウをもとに開発した、化粧品・シミケア機器は、その実力に高い評価が寄せられている。
https://hanakura.net/esthetic/store/gyoda/

エス通本誌の注目企画「エステティックへ真摯に向き合うサロン経営者12人が語る 美容業界の目指すべき未来とは」をご紹介しました。(2023年1月号掲載)

エス通本誌ではより多くのサロン経営者のインタビューをご覧いただけます。ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!