魅力的な空間を演出するために必要なことは…気になる!となりのエステサロン「サロンの空間づくりについて教えてほしい!」(前編)

気になる!となりのエステサロンは、「他のサロンはどうしているんだろう!?」と疑問に感じる、“サロン独自のアイテムの選び方”について、複数名のオーナーに聞いていく企画です。第9回のテーマは「サロンの空間づくり」。サロンの空間づくりをする上で欠かせないコンセプトについて、前・中・後編に分けて聞いていきます。

エス通の企画「気になる!となりのエステサロン」は、エステサロンオーナーやエステサロンを今後開業する予定があるエステティシャンが、「他のサロンではどうしているんだろう?」と疑問に感じるサロン独自のアイテム選び等について複数名のオーナーに聞いていく企画です。

第9回となる今回のテーマは「サロンの空間づくり」。エステサロンの内装コンセプトについては、「これが正解!」という答えが決まっているわけではありません。そのためサロンごとの個性や特徴を出すことができます。しかし、内装のコンセプトを決めるにも、どこから手をつければ良いのか、何から考えれば良いのかわからなくなってしまうこともあると思います。

エステサロンの空間づくりをする上で、いったい何が重要なポイントとなるのでしょうか。基準やコンセプトの決定方法について、3人のサロンオーナーにお話をうかがいました。今回も前・中・後編に分けて、各項目ごとに詳しくお伝えしていきます。

お話をうかがったのは

美容鍼サロンボディコンディション

河西 哲也 様

大阪市西区北堀江

美容鍼・鍼灸・クリスティーナエステでお身体のメンテナンスからお肌のお手入れまで、トータルケアが可能です。

個室の施術室でお一人ずつ時間をかけた施術と季節に合わせたアロマでよりリラックスして頂けます。

HP:https://body-condition.net/

Instagram:@b_condition_osaka

      @tetsuya_body.condition

開業して5年の河西様のサロンは、もともとはパーソナルトレーニングのインストラクターとしての仕事がメインだったそう。ですが、コロナによりそちらの仕事は激減、サロン運営をメインにシフトチェンジされたそうです。

肌のケアも鍼灸で体のケアをする延長線上として、お客様に必要だと感じた河西様はピーリングも導入。だんだんと良い方向へとお客様が変わっていく姿を見ることがやりがいだと語ってくださいました。

ウーマンズリカバリーサロン

Natuveur

小林 恵 様

東京都東久留米市

(都内レンタルサロンにて施術も可)

女性はライフステージが変わる度に身体や肌のケアも変わっていきます。

骨格筋からアプローチするフェムケアから身体の細胞から活性させるマイクロカレントで、顔のリフティングケア、リカバリーからアンチエイジングまでトータルケアを行います。

HP:https://5l92v.hp.peraichi.com/?fbclid=PAAaZGZe8h3mv3-au3QZ2kUBKWhuwwnKDwUqLJxE_Oi6ufGxvWxT2wm6eFxGA

エステティシャン歴20年、オーナー歴4年目の小林様は有名エステサロンにて18年在籍し、経験を積まれて開業されました。

もとはフェイシャル中心のオーガニックサロンをされていた小林様は、今はフェムケアや休養学を取り入れ体の疲れをとりながら日々の生活を向上させるということにやりがいを感じるそうです。

疲れがたまりやすい子育て世代の女性たちを中心に、お客様は疲れをとりながらキレイになる、まさに一石二鳥のサロンをされています。

salon de breathe

chinatsu 様

兵庫県宝塚市野上

タイ古式マッサージの認知を高めたい気持ちから2021年Mrs.global earth大会に出場し兵庫グランプリ受賞。本格タイ古式マッサージとチャクラを整える漢和生薬オイルトリートメントの女性専用サロンです。

HP:https://wellnessyard.net/

Instagram:@salon_de_breathe

chinatsu様はセラピスト歴9年、オーナー歴3年、また11月にはサロンを移転されました。

もともと頑固でまじめな専業主婦だったというchinatsu様はセラピストの方に癒していただいた経験から、自分に厳しくしてしまったり、甘やかすことが出来ない女性に癒しを与えてあげたいという思いでセラピストの道へ。

また現地でタイ古式マッサージの伝統や芸術的美しさに魅せられたchinatsu様はその認知を高めたいという思いで昨年Mrs.global earth大会に出場し、兵庫グランプリ受賞。

これからも世の中に広めていきたいという強い思いを聞かせてくださいました。

Q サロンの内装のコンセプトは何ですか?

エステサロンに足を運ぶお客様は、施術の効果や内容、美容効果の実感というような現実的な部分だけを求めているわけではありません。癒しを感じ、非日常感を味わいたいと思う方も多いはず。お客様に「来てよかった」「また来たい」と思ってもらうためには、技術面のほか、サロンの空間づくりも重要な要素です。とはいえ、アジアンテイストやナチュラルテイストなど実に多くのテイストがあるため、どのような空間をつくろうか迷ってしまいますよね。実際のところ、どのような部分を考慮してサロンのコンセプトを決めたのでしょうか。

河西さん(以下河西):当サロンのコンセプトは、「まるで自宅にいるかのような落ち着ける空間」です。

当サロンは美容鍼灸をメインに営業しているのですが、鍼灸というと「痛い」「熱い」という少しネガティブなイメージを抱いている方もいらっしゃいます。そのため、なるべくリラックスしていただけるような落ち着いた内装を心がけています。自宅のお部屋で、落ち着いて過ごしていただける空間を目指していますね。

また、鍼灸サロンは隣のベッドとの間をカーテンで仕切って施術を行う場合も多いのですが、私のサロンではなるべく別のお客様と接触しないように、プライベート感のある空間にしています。

小林さん(以下小林):当サロンは、「ナチュラルテイスト」をコンセプトに置いています。

私は自宅の一室をサロン用に利用していることもあり、生活感を出さないように気をつけています。お客様に「非日常空間に来た」と思っていただけるよう、日常を忘れられるようなナチュラルなイメージの空間を目指して、白やベージュ、グリーンなどの色味で統一させています。

当サロンはもともとオーガニックのフェイシャルをメインで行うサロンとしてオープンしましたが、もっとお客様に寄り添うために、現在はお疲れを癒すようなリカバリーサロンへとシフトチェンジをしました。しかし、オープン当初からの内装コンセプトはさほど変わっていません。

chinatsuさん(以下chinatsu):当サロンのコンセプトは「タイの王様気分を満喫していただけること」です。

私はもともと頑固で真面目な専業主婦でしたが、タイ古式マッサージに出会い、自分を癒すことの必要性に気づきました。

女性は誰かのために尽くす機会が多いと思いますが、そのためには自分を癒す時間も必要です。日々の疲れをリセットできるような空間が必要だという思いから、タイ古式マッサージの施術に合うような、タイの雰囲気を感じてもらえるような空間づくりをコンセプトにしています。

Q コンセプトはどのように決めましたか?

3人のサロンオーナーは、サロンの内装をサロンの営業コンセプトと合致させて決めているようです。サロンのコンセプトをしっかりと決めておくことは、今後のサロン運営の軸に据えられるだけでなく、内装のコンセプトを決める際にも役立つのですね。

さて、サロンの内装を決めるため、他に意識した部分をうかがっていきます。

河西:これは鍼灸に限ったことではないかもしれませんが、美容効果を継続させるためにはお客様に定期的に来ていただくことが必要になります。そのためには、お客様に「居心地が良いな」と思っていただく必要があると考えます。

当サロンにいらっしゃるお客様の比率は男性よりも女性が多いので、女性のお客様の意見を随所に取り入れています。たとえば、女性のお客様はご自身の体の悩みを誰かに聞かれたくないという方が多いように感じます。そのようなお客様の声への配慮として、なるべくおひとりだけのプライベート空間になるように営業しています。言いにくいことを相談しやすい空間づくりを徹底することが、お客様のためになると考えています。

小林:私は、自身の不妊の経験から食や化学成分に興味を持つようになり、オーガニックやナチュラルなものへの知識を深めていきました。

その知識を生かし、当サロンでは、私が本当におすすめしたいものだけを選んでサロンを運営しています。自分の好きなものやおすすめのものをお客様に共有していくというのが、サロンコンセプトの決め手となっています。

chinatsu:タイ古式マッサージは、2,500年という長い歴史をもつマッサージです。タイ古式マッサージを日本で広めるにあたり、実際にタイに行き、本場のタイ文化に触れてきました。そこで感じたのは、タイの人たちが王様を心からリスペクトしているということでした。この経験はサロンの内装づくりにも生かせるだろうと思いました。

お客様を王様と見立て、私は王様をおもてなしする役に徹するというコンセプトは、ここから着想を得たものになります。

サロンの空間づくりで大切なのは「お客様の目線に立つ」こと

エステサロンは、お客様をおもてなしするための空間です。だからこそ、インテリアに自分の好きなものを取り入れつつ、それをお客様に還元する姿勢を見せることが大切です。

自分の好みやこだわり、好きなものと、お客様の気持ちやニーズの両方を満たせる演出をすることができたときにはじめて、「空間づくりに成功した」といえるのかもしれません。3人のサロンオーナーのお話をうかがい、サロンのコンセプトを決めることがどれだけ重要かということがわかりました。サロンの空間づくりでは、施術をする空間の雰囲気やお客様に与える印象がポイントとなるようです。

次回は、サロンの空間づくりにおいて、こだわりや内装づくりに苦労したことについて語っていただきます。