地元に愛されるサロンを目指すオーナーの毎日ルーティン【エステティシャンの毎日ルーティン vol.4】

 エステティシャンの毎日ルーティンでは、エステティシャンになりたての方や、エステティシャンとしての今後の方向性に迷いがある方に向けて、ロールモデルを見つけるきっかけとして様々な方の毎日ルーティンとご経験をご紹介していく企画です。

 第4回では、アパレル業界から転身し、地元南千住で男性目線を取り入れた脱毛サロンを経営されている、黒澤さんにお話をうかがいました!

お話をうかがったサロンオーナーをご紹介

黒澤 宗彦 様

・サロン名:CRANES

・エステティシャン歴:10カ月

・勤務時間:10:00~21:00(月~金)、 9:00~20:00(土日祝)

・得意な施術:IPLを使ったひげ脱毛

 黒澤さんのサロン名は「CRANES(クレイン)」。クレインは日本語で鶴を意味する言葉で、サロンが長続きするための縁起担ぎだけではなく、サロンのロゴには2羽の折り鶴がデザインされており、2羽の鶴で「ツルツル」という意味も込められているそうです。

 営業時間が早いのが特徴で、地域的にお休みの日の朝に来店されるお客様が多いというCRANESでは、IPL脱毛をメインに施術されています。痛みの少ないSHRを選択するサロンも多いですが、男性の太く濃いひげをしっかり脱毛するためにIPLでの施術を行なっているそうです。

 黒澤さんは20年間アパレル業界で海外での生産管理や輸入に関わり、109などにもレディースのOEM製品を卸すなど活躍されていましたが、コロナでアパレル業界全体が大打撃を受けたことが転職を考えるきっかけとなりました。

 高校2年生になる息子さんが、中学3年生の頃からムダ毛を気にしていた姿を見て、 自分自身もムダ毛に悩んでいた過去を思い出し、脱毛サロンに興味を持ったそう。

 メンズ美容に伸びしろを感じたことと、南千住に20年以上住み、ベッドタウンとして街が発展するのを肌で感じていたことから、地元での脱毛サロンの経営にビジネス的にも可能性を感じられたそう。

 アパレルで働いていた時はバイヤーさんが主な相手だったため、数字だけではエンドユーザーの反応が見えなかった反面、サロンだとお客様からダイレクトに反応をもらえる点にやりがいを感じているとのこと。ひげ脱毛だけではなく、アイブロウやヘッドスパも手掛け、自分自身も施術を体感し、施術時の痛みなどを男性目線でアドバイスできる点も喜ばれているようです。

そんな黒澤さんの、お客さんがいるときの代表的なタイムスケジュールは、次の通りです!

7:30起床 
8:00子供を見送る 簡単な筋トレをし、朝食をとる 水素水を飲む
9:30サロンに出勤 開店準備をする
10:00サロン開店
20:00他スタッフにサロンを任せ、帰宅
20:30夕食をとる
21:30お風呂に入る
22:00自由時間 就寝

 サロンに着いてからのモーニングルーティンは、その日の気分に合わせてJロックやR&B ・レゲエなどのテンションの上がる音楽を流しながら掃除機をかけること。

 サロンは家族経営で奥様も働いていらっしゃるため、「家事はできる方がやろう」と決めており、洗濯やご飯を作ることも多々あるそうです。また、お子さんもご飯の準備を手伝ってくれるそうで、家族の仲の良さをうかがうことができますね!

 さらに追加で、こんな質問もしてみました!

Q.働くうえで、心がけていることはなんでしょうか?

「サロンは身体が資本ですから、体調管理をしっかりすることを心がけています。

 サロンで働いていると食事を取る時間がないという方も多いと思いますが、買ってきて食べたり空いた時間にパッと出て牛丼を食べたり、できるだけ食事はしっかり摂るようにしています。それでも栄養は偏ってしまいますので、足りない分はサプリで補っています。

 また身体だけでなく、心を“フロー”な状態に保てるように心がけています。「フロー理論」はスポーツやビジネスに応用されており、簡単にいうと何かに没頭していて心がハッピーな時がフローな状態と考えています。

 サロンをオープンしてまだ4カ月なので慣れていないこともあり、疲れを感じた時は何かに夢中になれる時間を作るようにしています。アウトドアやキャンプが好きなので、疲れを感じた時は魚釣りやキャンプの予定を思い浮かべて、心の状態をフローにしています。

 キャンプ歴は8年で、キャンプがブームになる前から家族でキャンプをするのが好きですね。キャンプは初期投資は少しかかるけど、揃えてしまえばホテルとかに泊まるよりもお金をかけずに遊べます。

 サラリーマン時代は両国の会社まで自転車通勤をするだけで運動はできていましたが、今は自宅とサロンが近くなって運動ができていないのは気になっています。運動量は全然補えていないけど、気持ちの面で朝はゆっくり30回の腕立て伏せをルーティンにしていますね。」

Q.今まさに大変だなあと感じることを教えてください!

「集客はやはり大変で、今日も打ち合わせがありましたが試行錯誤しているところです。 

 今は、チラシでのご来店やリピーターさんからの紹介、ホットペッパーを使って集客をしていますが、もっとお客さんを増やしたいですね。」

Q.それをどう乗り越えようとしていますか。

「広告やSNS・紹介など色々な集客方法がありますが、急に伸びるということはないので、地道にサロンのアピールをして日々積み重ねるしかないと思っています。

 サロンの強みは、男性エステティシャンがいる点だと思っており、VIOの施術などのデリケートな部分は、女性エステティシャンだと恥ずかしいと感じる男性客も、同性の男性エステティシャンなら相談しやすいと感じていただいていると思います。

 男性のお客様の中には、自分は脱毛に興味ないけど彼女や奥さんに脱毛を勧められて来店されたという方も。お風呂やフローリングにも毛が落ちないので衛生的ですし、男性でもVIOの需要が高まっていることを実感しています。

 また、私のサロンはひげ脱毛がメインです。ひげの処理は男性にとって毎日時間を取られるもの。肌トラブルの元にもなるのでひげは要らないという方や、ひげのデザインを楽しみたいなど、合理的な考え方の方が通ってくれています。

 ただ、メインのひげ脱毛以外にも、アイブロウやヘッドスパのメニューもあります。来店されたお客様と向き合ってお悩みを解決することで、他のお客様をご紹介いただける信頼関係を築くことが重要と感じています。

 現在、お客様は自分と同年代の30代~40代の方が多いのですが、新規として20代前半~30代後半の若い方の来店を促したいというのが課題です。」

Q.同じエステティシャンとして働く方へのアドバイスを、お願いします!

「SNSに力を入れて集客を頑張る、というのが最近のネット社会の主流と言われていますが、昔ながらのアナログなチラシなどの広告も有効だと伝えたいですね。

 私は子供たちにも手伝ってもらい、チラシのポスティングをしています。チラシを持って来店される方も多く、結構反響があります。私と同じように集客に悩んでいるオーナーさんは、アナログなチラシも検討してみる価値があると思います。」

Q.今後の展望を教えてください!

「短期的な展望では、地元の人にサロンをもっと知ってもらいたいと思っています。

 例えば、お子様が来店されてからお父様に伝わるとか、地元のお客様が家族で通ってもらえるようにしたいですね。

 長期的には、休みたいときに休める仕事環境にしたいです。

 元々、ガッツリ休みが欲しいタイプでサラリーマン時代もまとめて休みを取っていたのですが、サロンは土日も休みがないので、客足を伸ばして、好きな時に休んでも経営に支障が出ないような体制にしたいですね。」

まとめ

 今回は、アパレル業界から転身され、地元南千住で男性向けの脱毛サロンを経営されている黒澤さんに、毎日ルーティンを教えていただきました。

 印象的だったのは、身体の健康はもちろんのこと、心を“フロー”に保つことを意識されているという点です。オーナーをしていると、集客や経営の悩みで心身に疲れが蓄積してしまうこともありますので、ルーティンで身体だけではなく心も気遣うのは必要ですね。

 次回は11月21日に更新予定!I’M RAY オーナーの加藤 絢乃様に「毎日ルーティン」をお聞きします。

 お楽しみに!