エステの売上アップの極意を各分野のスペシャリストに聞く!個性の光る5人の語る売上アップ法(前編)
売上を上げることのできるエステティシャンと売上アップに悩むエステティシャンの違いはどのような点にあるのでしょうか?売上アップに貢献できるエステティシャンは、接客やSNS・ブランディングなど、その人にしかない持ち味で選ばれています。前編では、エステの売上アップにつながる接客術をうかがいます。
エステの売上アップの極意を各分野のスペシャリストに聞く!個性の光る5人の語る売上アップ法(前編)
同じようにエステティシャンとして働いていても、人一倍売上を上げるアノ人は何が違うのか?
接客・SNS活用・サロンブランディングなど、プロフェッショナルなエステティシャンは自分だけの持ち味を持っています。この記事では、前編・中編・後編に分けて、それぞれの個性を生かして成功を収めた5人をクローズアップします。
スペシャリストの話をうかがうことで、あなたのサロンに合う「売上アップ法」が、きっと見つかるはずです。
プロが認めるトップエスティシャンに聞くエステ売上アップの極意とは
毎月の売上に一喜一憂する日々を送るエステティシャンは少なくありません。一方で、毎月「なぜ?」と驚くほどの数字を叩き出し続ける実力者が存在することも確かです。
そんなプロが認めるトップエステティシャンに、売上アップの「極意」をうかがってきました!
インタビューで見えてきたキーワード
・新人のころからダントツの売上!
・激戦区・銀座で専門サロンを開店
・独立後のサロンでも人気過ぎて大変?!
ご登場いただいたのは マッコイ ビューティーサロン シルフィア 銀座店 オーナー 荒井理恵さん 「美に関わる仕事がしたい!」と、エステティシャンの道へ。大手サロン入社後から独立した現在に至るまで驚きの売上をキープし続ける実力者。3年前に立ち上げた『シルフィア 銀座店』も、多くの芸能人が足を運ぶほどの人気を誇っている。 |
売上アップを意識し過ぎるのではなくお客様との距離を縮めることが重要
「トップの売上をキープする“秘訣”といっても、特別なことに取り組んでいるわけではありませんよ」と、笑った荒井理恵さん。
美容や化粧品への関心が高かった母の影響で、10代の頃からエステサロンにはなじみがあり、美に関わる仕事に就きたいという強い想いでエステティシャンの道に進みました。
元々は薬剤師をめざしていた荒井さんは、美容の道に進路変更をした際に周りからは大反対を受けたそうです。荒井さん自身はそれを「覚悟を持って選んだ道だからこそ誰にも負けたくない!」という反骨心に変え、新人の頃から飛び抜けた存在感を発揮してきました。
当時から同業のプロが噂をするほどの技術や知識を持ち、売上アップに貢献し続けてきました。
お客様を最低5つほめることで距離を縮める
お客様と接するうえで、荒井さんがもっとも気を付けていることは距離をできる限り近く取ることだそうです。
初めてサロンを訪れるお客様の緊張をほぐし、抱えている悩みや目標を正しく理解するためにも、「短時間でお客様との距離をぐっと縮めることが重要」とのこと。
そこで荒井さんが心がけているのが、お客様と会った時に、最低5つはほめること。お客様のスタイルや肌の状態はもちろん、雰囲気や笑顔など、どんな小さなことでもいいので“よいところ”を見つけて声をかけているそうです。
それだけでもお客様の表情は一気に柔らかくなっていくといいます。
通い続けるエステとして選ばれるには最初のカウンセリングが重要
「お客様に選ばれ、通い続けていただくためには、やはり最初のカウンセリングが重要。そこでお客様の本音を引き出すためにも、瞬時に距離を縮められるような話術を身に付けようと考えたのです」
荒井さんがカウンセリングの際に聞くことは、お客様の来店目的と、将来どういう自分になりたいかという理想像の2点が中心。
お客様が抱える悩みに共感し、求めるニーズをしっかり把握したうえで、このサロンに通うことによって、例えば痩身なら○か月後には○㎝減といった未来像をできる限り明確に提示するそうです。
売上アップに捉われるあまり、この場面であれこれと製品の説明を詰め込んでしまう人もいますが、荒井さんいわく「それはかえって逆効果。お客様の信頼を得るためには、何よりも“押しすぎない”ことが大事」とのこと。
お客様の肌や体の状態を見て、最適なものをご紹介・ご提案するという姿勢がやはり重要になってくるのですね。
売上アップにこだわり過ぎた失敗が成長につながった
とはいえ、荒井さん自身も新人時代は「売上トップをめざす!」という気負いから、お客様にガツガツと営業をかけることもあったそうです。
当日契約にこだわるあまり、コース契約に悩むお客様に対して何時間も説明を続けることも。ところが、そうやって無理やり勝ち取った契約が、数日後にクーリングオフされてしまうという、苦い結果を生むこともあったとのことです。
そうした失敗を経験したからこそ、「お客様の“想い”を後回しにした売り込みはよい結果を生まない」と実感し、今の“押しすぎない”スタイルを確立していったのだといいます。
エステ施術中もお客様にご提案するチャンス
荒井さんは施術中も、お客様の肌やボディの状態をチェックし、「目標達成に必要と思われるアイテムやコースをご提案ベースで伝える」というスタイルを貫いています。
そして、ボディもフェイシャルも、片側のケアが終わった段階でその“効果”を実感してもらい、施術への興味を引き出しているといいます。
同時に、今の体(肌)状態から導き出したおすすめの施術回数を提案し、どのくらいの頻度でサロンに通えるかをヒアリングし、コース提案まで行なうため、「施術中に契約が決まることも少なくない」そうです。
決してコースや製品を“売り込む”ことはせずに、お客様がめざす結果へと導くためには何が必要かをプロの目線から考え、提案する。その姿勢がお客様からの信頼感となり、売上アップへとつながっているのですね。
売上アップのための話術ではなく安心して距離を縮めてもらうための会話を
「毎月課せられる目標に四苦八苦し、重圧の中で業務に取り組んでいると、お客様のことをまったく考えない“売り込み”が続いてイヤになってしまうと思うんです」と、語った荒井さん。
目標達成に追われ、売上アップのための話術を磨くのではなく、「お客様との距離の取り方、安定して通い続けるお客様に気に入っていただくには何が必要かを考えるべき」だといいます。
今でも荒井さん自身、お客様と対等に会話し、距離を縮めるために毎日ニュースを確認し、政治・経済のトピックスもしっかりチェックするそうです。また、時には仕事や恋愛などお客様の個人的な悩みに耳を傾け、心の癒しを提供することもあるのだとか。
銀座という土地においてのエステを介した出会いを、「とても楽しい!おもしろい出来事がたくさんあります。」と前向きに捉えていらっしゃいます。
何よりも大切なのはお客様との距離感と安心感。アドバイス・提案をベースにした“引きの営業”をずっと貫いてきたからこそ、今の成功があるのでしょう。
スペシャリストが新人エステティシャンの時に心がけていたことは?
大手サロンに入社後は、研修でカウンセリングのロープレなどにも取り組みましたが、それはあくまでお客様から必ず聞くべき項目と、その手順を覚えるものだといいます。
早い段階からお客様との距離を縮めることの重要性を感じた荒井さんは、そのための話術を考え、付け加えるなど自分なりにカスタマイズしていたそうです。
荒井さんのカウンセリングのポイントは、来店の目的や、お客様が理想とする“未来像”を把握し、そのために必要な施術、目標をできる限り明確に提示することです。
そのために必要と思われる施術・コース(回数)、アイテムを提案ベースでご紹介する“引きの営業”で売上アップへとつなげてきました。
昔も今も変わらずに続けているコト。
「プライベートな空間で施術を行なうということもあり、個人的な悩みを打ち明けられることも多い」という荒井さん。
それもお客様から振られるどんな話題にも瞬時に対応し、距離を縮め、信頼を重ねてきたからこそでしょう。
今でも新人時代に先輩から言われた「お客様との会話の“ネタ”を探すために、毎朝、新聞やニュースに目を通すことが重要」というアドバイスを忘れずに実践されています。
特に今の流行や話題となっているトピックスについてはしっかりチェック。「銀座という場所柄もありますし、政治や経済についてもお客様と対等に話せるくらいの知識が必要だと思っています」とのことです。
売上アップにこだわり過ぎない姿勢が信頼できるエステティシャンになる
荒井さんのサロンには、銀座という土地柄もあり、富裕層やお忍びの芸能人などの来店も多いそう。
あからさまに売上を狙ったPOPなどは使用せず、余計なもので飾らない上品な空間を演出し、話術と施術でお客様を獲得しています。
売上アップにこだわり過ぎずに、まずはお客様に安心感と信頼関係を持ってもらえるための話術が重要というお話をうかがいました。
中編では、エステサロンの売上アップに活用できる、SNS活用術をうかがいます。