LINE公式アカウントで効率的に集客を行うためには、成功事例を参考にするのが近道となります。LINE公式アカウントのタグ付けやセグメント配信などの機能を最大限活用して、クロスセルやアップセルで大きな成果を上げられている店舗の事例についてお伺いします。
LINE公式アカウントがエステサロンの集客に効果的であることは分かったけど、どのような戦略でLINE配信を行えばいいか分からないという方も多いでしょう。
LINE公式アカウントでタグ付けをしてお客様を管理することで、ブロック率を低下させるだけではなく、これまでスタッフに負担の大きかった営業へのハードルを下げる効果もあります。
実際に、LINE公式アカウントでの施策で、クロスセル・アップセルでの売上改善を実現した店舗も少なくありません。
今回は、LINE集客での成功事例と、おすすめの施策・分析方法を伺います。
第3回の記事はこちらから!
【株式会社エイドクリエイツ】とは ヘアーサロンをはじめとした美容業界だけではなく、柔整鍼灸業界(にゅうせいはりきゅう)まで幅広くリクルーティングコンサル業務を行っています。 業種・業態に合わせた営業ツールも提供されており、LINE公式アカウントを活用した集客・採用も手がけられています。 |
株式会社ADECREATES
LINEマーケティング事業部
リーダー 松嵜勇介さん
【エステサロン向け】LINE集客の成功事例やおすすめの施策とは?
ー自社のお客様情報を正確に分析できているエステサロンは少ない印象を受けます。美容サロンでのマーケティングの現状についてお聞かせください。
これまでの美容サロンのマーケティングの現状で言うと、「店販」もエステティシャンやスタイリストが行い、スタッフの営業にかける負担が大きかったように感じています。
本来、スタッフの採用難が進んでいる美容業界ではスタッフはお客様に100%の治療や技術を提供することに集中して、会社がマーケティングをして売上を作っていくことが求められています。
スタッフの営業力に依存せずに、会社としてお客様マーケティングを行ううえで、LINE公式アカウントは非常に有効なツールです。
LINE公式アカウントの配信によってお客様が商品に興味を持っている状態で来店してもらえます。、そのため、ゼロからの店販営業をしなくても、成約につながりやすくなったという成功事例があります。。
商品やサービスに対するお客様の認知が「3」ある状態から、残りの「7」を埋めてクロージングすれば良いので、スタッフの営業にかける負担も軽減できますね。
ーLINE集客での実際の成功事例としてどのような施策があるのでしょうか。
LINE集客での成功事例としては、「誕生月クーポン」はかなりの反応率と使用者がいます。
誕生月クーポンを配信する目的は来店頻度の短縮と離脱者の復活です。
1度は違うサロンに行ったけど、「誕生月クーポンが届いているからもう1回行ってみようかな」というきっかけになり、離脱者が復活する機会になっているようです。
例えば、ヘアサロンが近隣に新しくエステサロンを開店する際にエステのクロスセル配信を行い、集客に成功した事例があります。
エステサロンを認知させるためにヘアのお客様で、かつ女性・20代以上という層に対してセグメント配信を実施。そうするとホテル内のエステで比較的高額な脱毛・フェイシャルのサロンであるにも関わらず、35件の成約につながったという実例があります。
また、ECサイトでは既存のディーラーさんのプラットフォームでオンラインストアを運営しているサロンさんがLINEの配信をして、前月比で301人購入者が増えたという成功事例もあります。
現場のスタッフがオンラインストアを宣伝するのではなく、LINE公式アカウントのリッチメニューにURLを記載したり、キャンペーンを配信することでECサイトのファン作りに成功しました。
業界誌に取材を受けるといった大きな反響を得る結果となりました。
ーLINEとクロスセルの施策との相性はいいと言われています。アップセルとの相性はいかがでしょうか。
LINE配信は分かりやすく拡がるので、クロスセルだけではなくアップセルにも相性が良いツールです。
アップセルの事例だと店販系が多くなっていますね。
例えば、日頃はボディローションなどを購入されない方が、LINEから購入につながるケースがあります。美容室の場合、普段はカットのみの顧客が眉カットやトリートメントも付けるといった、アップセルにつながっています。
MicoCloudの実績としてオンラインストアとの連携が実現できている点が挙げられます。店舗がオンラインストアを始めても、現場でお客様にアナウンスできるタイミングがなく中々認知されにくいという課題がありました。しかし、LINE公式アカウントでオンラインストアの企画を配信することで、オンラインストアの認知度や使用頻度を改善できました。
ーQRコード分岐の機能についてご説明いただけますか?
QRコード分岐では、QRコードを分けることによって、アカウントの構築を変えることができます。
例えば、渋谷店のQRコードを読み込んだ人が「予約」をタップすると、自動的に渋谷店の予約ページにリンクされる、八王子店のQRコードを読み込んだ人は八王子店の予約ページにリンクされるなど、同じ場所をタップした場合でも読み込んだQRコードによってリンク先を変えることができます。
質問内容もQRコードによって変えられますので、ヘアのQRコードを読み込むとヘアの質問内容に、アイのQRコードを読み込むとアイの質問内容に、など、アンケートや診断機能の挙動を変えることが可能です。
新店のQRコードを読み込んだ時は、細かい質問内容などを用意せずに、シンプルな予約のみにしておくなど、お客様の負担が少ない形に分岐させることができます。
ー採用に関してもQRコード分岐が活用できると伺いました。具体的にどのような活用方法があるのでしょうか?
採用でもQRコード分岐を活用される企業様は多くなっています。
募集の媒体別にQRコードを分けて、最終内定者のタグを付けて分析することで、どこのQRコードから採用者が流入したかを分析して、採用広告の費用対効果を可視化することが可能です。
例えば、Instagramと連携して求人をしたい場合、Instagramなどで「かんたんエントリー」のようなタップを作り、LINE公式アカウントで電子履歴書やエントリーシートを入力できるフォームに流すこともできます。
また、Instagramで「オンラインでの面接」「店舗見学」などのタップを選べるようにして、LINE公式アカウントに流入させるのもひとつの方法です。
店舗ごとにLINE公式アカウントを利用する場合、店舗ごとに別々のアカウントを作成する必要があります。店舗ごとの公式アカウントが分かれていると、管理を担当していたスタッフが離職したりすると、ID・パスワードが分からなくなったりという問題が発生します。
MicoCloudのQRコード分岐を利用すれば、1つの管理画面でQRコードを変えるだけで店舗ごとの施策を打てますので、1つのMicoCloudの中で全店のお客様を管理することが可能です。
LINE集客でおすすめの分析方法と分析による成功事例について
ーお客様分析をするのに最適な頻度や分析するべき項目について教えてください。
一概には言えませんが、ヘアなのかボディなのか、お客様が何に悩んでいるのかという項目を分析することは重要です。
ヘアで来店されたお客様に対して、「脱毛をしたことがあるか」「マツエクをしたことがあるか」といった質問を診断チャートで行います。脱毛をしたことない、マツエクをしたことない、と回答したお客様に対して、「初めてのマツエク」「初めての脱毛」などのキャンペーンを配信する施策を打てますね。
また、年代や職業のデータをキャンペーンの配信に役立てることができます。例えば10代の専門学生・大学生の方だけに成人式系のメニューを配信するといった施策は有効です。
エイドクリエイツでは、企業様のどういったデータを取りたいかという要望に合わせて、キックオフミーティングで打ち合わせをしたあと、毎月ミーティングを行い、すり合わせを行っています。
定期的にミーティングを行い、前月の施策の反応率やお客様の特性などを分析して、PDCAで回していくのが効果的です。
ーLINEを分析する上で、タップ率、既読率、ブロック率は重要な項目だと思います。それらの項目の改善に成功した事例があればご紹介ください。
タグをカルテ化して利用して、ブロック率を通常の半分程度に抑えることに成功されているサロン様の事例があります。
月3回の配信でお客様流入数が13,000人のサロン様で、タグをカルテ化して利用しております。
例えば、ネイルデザインの好みをタグ化して、ニュアンス系が好きな人には新しいニュアンス系のキャンペーンをおすすめするなど、お客様の興味のある配信を行ってタップ率を高める施策を打っています。
LINE公式アカウントのブロック率は10%を超えるのが当たり前ですが、お客様に合わせて配信を行っているため、ブロック率が圧倒的に低く、トータル3.9%に留まっている成功事例です。
ほかに、新しく二子玉川にエステを作ったサロンさんの事例では、二子玉川エリアに近い、三軒茶屋とか表参道、渋谷、新百合ヶ丘のエリアの方だけに配信してお知らせする、また、ECサイトをタップした方に対してだけ、ECサイト内にある商品をお知らせするなど、お客様の興味に合わせた配信を行っています。
まとめ
LINE公式アカウントは、近年、美容業界でも大打撃となっている「コロナ禍」との親和性が高い集客ツールです。
コロナ禍になって、これまでのような集客では減収の一方になるという流れの中で、お客様をきちんと持っておくことの重要性に気付かれたオーナー様も多いのではないでしょうか。
しかし、来店が減ったから焦ってECサイトを立ち上げたとしても、ECサイトを認知してもらうためのプラットフォームがなければ集客にはつながりません。
コロナ禍でお客様と接触できない時であっても、お客様とつながりを持てる場として、LINE公式アカウントは大きな財産になりますね。
LINE公式アカウントを活用して、自社・自店のお客様との関係性を資産として作っておくことが、今後のエステサロンに求められる課題です。