LINE公式アカウントはエステサロンの資産!【エステサロンがLINE公式アカウントで集客を成功させる方法を専門家に聞く 第1回】

 スマートフォンの普及により、エステサロンの予約にもスマートフォンを利用するお客様が増えています。今後のエステサロン経営をしていく上で、スマートフォンと相性の良い集客ツールを持つことが重要になっています。LINE公式アカウントは、最もユーザー数の多いSNSですので、使いこなせばエステサロンの資産になってくれるでしょう。

 スマートフォンの普及に伴い、エステサロンに予約する際にスマートフォンを利用したネット予約を利用されるお客様が増えています。

その中でも、現代社会で大多数の方が利用するトークアプリ「LINE」を活用した、LINE公式アカウントの運用は、今後のエステサロン経営の資産となってきます。

これまでのような、集客プラットフォームに頼るだけではなく、LINE公式アカウントで自社・自店で顧客管理をすることが重要です。

今回は、美容・ヘルス業界の売上改善に大きく貢献されている、株式会社エイドクリエイツ様にLINE公式の特徴やメリットを伺いました。

【株式会社ADECREATES】とは
ヘアサロンをはじめとした美容業界だけではなく、柔整鍼灸(にゅうせいはりきゅう)業界まで幅広くリクルーティングコンサル業務をメインに行っています。
業種・業態に合わせた営業ツールも提供されており、LINE公式アカウントを活用した集客・採用も手がけています。
https://ade-creates.co.jp/

【この人に聞きました】

株式会社ADECREATES

LINEマーケティング事業部

リーダー 松嵜勇介さん

LINE公式アカウントはエステサロンの資産!LINE公式の特徴やメリットとは?

ーまず最初に、サロンがLINEを運用するメリットを教えてください。

 スマートフォンが普及してきたことで、誰でも簡単に美容室やエステサロンを検索できるようになりました。そのような情報社会の中で、企業に求められていることは大きく変化しています。例えば自社のファンで居てくれているお客様の情報が、会社の財産になったと思っています。

昔は、美容ポータルサイトで情報を発信して集客につなげるという形が主流でしたが、美容ポータルサイトで集客したお客様は、どこまで行っても他社のお客様であって自社のお客様とは言えません。他社のお客様を借りて、美容ポータルサイトという場所で売上を作っているような形ですよね。

そうした状況では、仮に美容ポータルサイトが無くなってしまった場合は、お客様の情報をすべて失ってしまうことになります。

そこで、サロン様が自社のお客様の情報を持ち、自サロンの情報をお届けできるプラットフォームを作れるのが「LINE公式アカウント」です。

店舗やスタッフではなく、サロンでお客様を集客しお客様の情報をサロンの資産とするためにはLINE公式アカウントをプラットフォームとして活用するのがベストだと考えています。

ーLINE公式アカウントの基本的な機能について教えてください。

 LINE公式アカウントの基本的な機能のひとつに、「リッチメニュー」というものがあります。

リッチメニューでは、お客様に見て欲しい情報を常に見てもらうことができます。

いつも来店いただいているお客様でも、サロンの公式HPを高頻度で見にいく方は多くいらっしゃらないので、お客様に伝えたい情報が届いていないというのが現状です。

リッチメニューに伝えたい情報を置いておけば、公式HPを見てもらわなくても、サロンスケジュールや新メニューなどの最新情報をお客様に伝えることができます。

 また、LINE公式アカウントでは、ポイントカードや会員カードの機能も利用することができます。

LINE公式アカウントを見てもらえば、お客様が1か所で全ての情報を入手できるという所がLINE公式アカウントの魅力だと思っています。

ーLINEがどのくらいの人に使われているかなどのデータはありますか?

 2021年のデータでは、LINEの月間のアクティブユーザー数は8,700万人を超え、幅広い年齢層に利用されているというデータがあります

参照データ:LINE Business Guide

例えば、私の両親もそうですが、InstagramはやってないけどLINEはやっているという40代以上の方はいます。

他のSNSを見ても、LINEほど幅広い年齢層かつ利用率の高さを誇る媒体はないと思います。

ーサロンでLINE公式アカウントを作成するのが面倒で、個人アカウントでお客様とのやり取りを行なっている方は一定数いると思います。LINEの個人アカウントと公式アカウントとの違いを教えてください。

 スタッフ個人のアカウントでLINE運用をしていた場合、そのスタッフが退職してしまうとお客様の情報をサロンに引継ぎすることは難しくなってしまいます。

経営者の個人ラインを利用する場合は、離職によるリスクは考える必要はないものの、万が一、LINEアカウントが利用停止などになってしまったり、スマートフォンそのものを破損・紛失してしまった場合、データが消えてしまうというリスクがあります。

LINE公式アカウントを利用することで、リッチメニューやセグメント別のメッセージ送信など、個人アカウントでは利用できない機能が使えるほか、インサイト機能によって流入のデータを分析することも可能です。

結論としては、個人アカウントのままでLINE集客するのは、リスクが大きいので避けたほうが良いでしょう。

エステサロンがLINE公式で集客を成功させるためのポイントとは?

ーLINEマーケティングで地域差や性別差などはあるのでしょうか。

 LINE公式アカウントでの配信での反応率をみると、郊外にお住まいの方や40代以降の方の反応が良い傾向です。

若年層の方はLINEのトークの通知も多く、日頃からキャンペーンなどで多数のLINE公式アカウントに登録することに抵抗もないので、ポップアップで未読が200くらい貯まっても気にしない方もいます。

対して、40代以降の方はキャンペーン目的で色々なLINE公式アカウントに登録される方は若年層に比べ少なく、店舗のLINE公式アカウントからの配信に「私のために送られてきた」という心理になり、反応率が高くなっている傾向が見られます。

性別差でのお客様反応率は、そもそも、私たちのクライアント様に美容室と整骨院やアパレル業界が多いということもあり、データ上は女性が圧倒的に多くなっています。

しかし、男性は女性ほど、キャンペーンやクーポン目的でLINE公式アカウントに登録される方が少ないので、LINE公式アカウントに登録してもらったお客様の反応率も高くなります。

 また、男性向けの化粧水や薄毛治療など、女性スタッフが男性のお客様におすすめしにくい商品も、LINE公式アカウントからの反応率が高くなっていますので、男性に向けたアップセル・クロスセルにも有効です。

LINE公式の役割やその他のSNS・アプリとの違いについて解説

ーLINE公式とInstagramやメールマガジンとの違いはありますか?

 Instagramやホームページは新規獲得用と考えています。

ホームページは企業としての信頼性を高めてくれますが、何度もホームページを訪れるお客様は多くありません。対して、Instagramは、店舗を検索をしたらフォローが出来るので、認知を上げるうえではすごく有効なツールです。

しかし、Instagramでは重要な情報がタイムライン上で見逃してしまうことも多く、関係値を築いていくのは難しい一面もあります。

Instagramとホームページで新規集客して、LINEというプラットフォームに移っていただき、検索されにくいオンラインストアやYouTubeなどへのアクセスを、LINEを活用して誘導していくという形が、それぞれのSNSを活かした1番の成功事例です。

 また、メールマガジンはブロック率が高いツールです。

文章だけのメールマガジンだと、最後まで読んでくれる方は少なく、ブロックやメールマガジンの解除につながる可能性もあります。

そこで、LINE公式アカウントでテキストだけでなく画像を活用したコンテンツを配信することによって、メールマガジンよりも読まれる確率を上げる施策を打つことができます。

LINE公式アカウントはタップ率を調査することもできるので、どのキャンペーンに反応が良かったかなど、分析がしやすい点もメールマガジンとLINE公式アカウントの違いですね。

ーLINEとサロンオリジナルのアプリとの違いはどういった点にあるのでしょうか?また、アプリを活用する際のLINEの立ち位置を教えて下さい。

 私たちも、自社製のアプリなどを活用されている企業様にLINEコンサルティングを行う機会は多いのですが、アプリを入れてもらうのは、1番お客様のハードルが高いように感じていますね。

基本的には要らないアプリはスマートフォンに入れておきたくないという心理があるので、お客様のアクションに対するハードルで比較すると、「Instagramのフォロー」「LINEの友達追加」「アプリのインストール」という順に高くなります。

アプリ取得をお客様におすすめする現場のスタッフさんの負担も大きくなるし、アプリを入れても、必要性の高いもの以外はプッシュ通知をオフにされてしまうので、情報をお客様に届けることができないというお悩みがすごく多いです。

お客様の心理的にLINEの導入ならハードルを下げることができるので、LINE公式アカウントに友達追加してもらい、予約などをタップしたらアプリが立ち上がるような形で、自社アプリに誘導していく流れがスムーズです。

LINE公式アカウントで様々な施策を打つ中で興味を持って頂き、必要になった時にアプリをおすすめするという形は、いきなりアプリをすすめるよりも、お客様の反応率や登録率が上がっています。

まとめ

 LINE公式アカウントを活用することで、店舗のスタッフに依存した営業ではなく、会社としてマーケティング・営業を行うことが可能となります。

個人のLINE機能にはない、リッチメニューやポイントカード・会員証機能を利用できますので、いつでもお客様に伝えたい情報を届けることが可能です。

店舗に何度も足を運んでくれる常連のお客様でも、ホームページをいつもチェックしてくれるという方は少ないので、LINE公式アカウントでお客様に情報を伝えることは重要ですね。

 次回は、エステサロンがお客様の失客率を改善し、LINE公式アカウントで集客を成功させる方法をお伺いします。

第2回の記事はこちら