インターネットの普及でサロンの集客方法は大きく変化しつつあります。数ある集客方法の中でも近年注目される「Google MEO」について興味を持つサロンオーナー様もいるのではないでしょうか。エステやネイル、ヘアサロンなど美容業界全般の集客・求人コンテンツの作成を主に行っている企業である株式会社トーコンの渡邊裕希さん、佐藤直さんにGoogle MEOの特徴やメリットなどについてインタビューを実施しました。

今回のテーマは「Google MEOの概要や特徴、メリット」についてです。Google マップを対象として最適化を図るGoogle MEOは、検索エンジンの最適化を図るSEOにも強く影響しています

ここでは、トーコンの渡邊さん、佐藤さんに美容サロンがMEOを活用するメリットや、MEOとSEOで相乗効果を生み出すコツなどを伺いました。

【株式会社トーコン】とは エステやネイル、ヘアサロンなど美容業界全般の集客・求人コンテンツの作成をメインで行なっています。 創業時より行なってきた領域のため、豊富な商材・ノウハウを持っていることが強みです。 HOT PEPPER BeautyやGoogle MEOでの集客サポート、新卒採用フェアの開催、中途採用の強化など、幅広くサロンをサポートしています。 https://tokon.co.jp/

【この人に聞きました】

Google MEOとは何か？美容サロンが導入するメリットについて

ーGoogle MEOにはどのような特徴があるのでしょうか？

渡邊：これまで、多くの方が取り組んでこられた「SEO（Search Engine Optimization）」とは、検索エンジンにおける最適化を図ることを意味します。SEOはワードの「単価」が決まっています。多くの方に検索されるワードはその分単価が高く、対策にも大きな費用が必要です。

一方「MEO（Map Engine Optimization）」は、Googleのマップを対象として最適化を図ることを意味します。「Google マップ上の特定のページを評価する」といったイメージで、ワード単価もありません。

もともとは「グーグルマイビジネス」 という名称のサービスでしたが、最近では「Google ビジネスプロフィール」に変更されました。

ーGoogle MEOを活用する際に地方と都市部で違いはあるのでしょうか？

渡邊：地方と都市部では違いはあると思います。都心部は掲載されるサロンも多く情報過多の状態です。

一方、地方の場合はGoogle マップに掲載しているサロン様はまだ少ない傾向にあると思います。さらに、Google マップやHOT PEPPER Beautyより検索エンジンからサロンを探しているお客様が多い印象です。地方や郊外にあるサロンは都心部のサロンと比べて、Google MEOを強化することで短期的な成果が期待できるでしょう。

ーMEOユーザー層の特徴は？

渡邊：MEOユーザー層の特徴は、使用する検索エンジンによって大きく分かれると思います。Yahoo!の場合は、利用するユーザーの年齢層は高めとされています。

一方、Googleを利用するユーザーは幅広いイメージですね。iPhoneを利用しているユーザーが検索する際は、Safariで検索するとGoogleに飛ぶことは大きく影響しているともいえますね。

ーMEOを積極的に行っているサロン様の割合や数は多いのでしょうか？

渡邊：取り組むサロンは増えているものの、感覚的には2割程度かと思います。ただし、その2割程度には「とりあえず取り組んでいる」といった段階のサロンも含まれるので、しっかり作り込んでいるサロンの数となるとさらに絞られますね。

ーなぜGoogleMEOを導入しているサロン様が少ないのでしょうか？

渡邊：Google MEOを導入するサロン様が少ない原因の一つに、営業電話が多いところにあると思います。営業電話だけでGoogle MEOの重要性に気づくのは難しく、サロン様と提案企業の間に信頼関係がなければ理解されません。

佐藤：サロンには日々さまざまな営業電話がかかってくるので「電話で営業すること自体が怪しく映る」といったお話もよく伺いますね。

ーサロン業務で忙しいところに営業電話が来てもなかなか理解してもらうというのは難しいですね。サロン様にMEOのメリットを理解してもらうポイントなどはありますか？

渡邊：「渋谷　パンケーキ」など、実際にご自身で検索してもらっています。検索結果の画面自体は見たことがあるお客様も多く、実際の検索を行ってもらいGoogle MEOに対する理解を促しています。なにより、運用の「期間」が重要なので、できるだけ早く取り組むようにおすすめしていますね。

ーMEOによって効果が出る期間はどれくらいでしょうか？

渡邊：効果が出るまでの具体的な期間に関するデータは公開されていません。ただ、昔から存在するサロンの場合、自動的にグーグルマップに登録されています。

そのため、後発のサロンは「掲載期間」では勝てないので、写真や詳細な情報などでその差を埋めることが対策としてあります。

サロン集客ではMEOとSEOは表裏一体！相乗効果を生み出すコツとは？

ーMEOとSEOにはどのような違いがあるのでしょうか。

渡邊：SEOが強いとMEOも同じく強くなることから、両者は表裏一体といわれています。ラーメン屋さんを例に挙げると、MEOでは「塩ラーメン」を打ち出すとしましょう。

しかし、ホームページでは塩ラーメンではなく「味噌ラーメン」ばかり掲載していたとしたら、一貫性がありません。その結果として、ユーザーに一貫性のない情報を与えているとして、Googleは判断します。

つまり「一貫性」の観点から、MEOとSEOの効果は比例するといえますね。MEOの情報とホームページの情報が一貫していることでお客様の離脱を防げるからです。また、電話番号や住所といった店舗情報などにも一貫性が必要です。

ーMEOで得た情報を活用する方法があれば教えてください。

渡邊：Googleでは自身のサロンが検索されているワードを抽出できます。一方、HOT PEPPER Beauty内で検索されてるワードは抽出できません。

そのため、Googleで実際に検索されているワードを知ることでHOT PEPPER Beautyのメニューやクーポンの改善を行うなど、同時に効果を得られる可能性があります。

ーGoogle MEOのアルゴリズムは開示されているのでしょうか？

佐藤：アルゴリズムについて明確な開示はされていません。ただし、口コミのランクはアルゴリズムに大きく影響していると思われます。
口コミなどをグーグルマップに投稿し、ポイントを受け取る「ローカルガイド」と呼ばれる機能があります。さらに受け取ったポイントに応じて、ローカルガイドのレベル分けがされています。

さらに、口コミだけでなく投稿される動画や文章量などによってもポイントが異なるので、Google MEOのアルゴリズムに関する1つのヒントにはなると思います。

まとめ

Google MEOを活用するサロンは地方や郊外に関わらずまだ少なく、早く取り組むことで集客効果を期待できます。MEOとSEOは表裏一体ともいわれており、相乗効果を生み出すには、発信する情報の「一貫性」が欠かせません。

また、Google MEOによって得られた検索ワードなどのデータを参考にホットペッパーやホームページなどを強化することで、さらに集客効果を高められることも理解できました。

次回のテーマは「Google MEOで掲載上位を狙うためのコツ」についてです。エステサロン集客のプロが考える「改善ポイント」「頻度」「NAPの重要性」などについて触れています。

また、掲載順位に影響する口コミや写真などで意識すべき点なども聞いています。

第2回の記事はこちら！