エステティシャンの育成や指導などに尽力されているベテランオーナーが、自身が経営や人生の選択に迷った際に読み返すバイブルを教えてもらう「あの人のバイブル」。

今回は、京都府のエステティックサロン「bonte」のオーナーとして活躍されている、矢野 美幸先生の人生のバイブルを教えていただきます。

お話をうかがったのは

柳田 依璃著『知識なし金なしコネなしで夢を叶える 魔法の行動術（セルバ出版）』

現在、株式会社bonteの代表取締役として活躍されている矢野先生。

矢野先生がバイブルとして挙げられたのは、柳田 依璃先生の著書『知識なし金なしコネなしで夢を叶える 魔法の行動術』です。

はじめて読んだときと今では受け取り方が変わったというこの本。エステサロンオーナーの間では有名な本であり、ぜひエステサロンを経営している方やエステティシャンの方に読んでほしい作品だそうです。

矢野先生にバイブルについてのお話をうかがいます。

作品との出会いを教えてください

私は現在、エステティックグランプリ（エスグラ）の実行委員をしているのですが、著者である柳田さんは素晴らしい方だという話がよく耳に入っており、以前から気になっていました。

Instagramで柳田さんのアカウントを見つけると同時にこの本の存在を知り、すぐに購入しました。

今経営しているサロンが15年近くになるのですが、さまざまなことに常に悩んでいました。その場面場面でこの本を読むと、柳田さんも同じ境遇を経験しており、すごく共感できました。

しかも、その悩みをどのように乗り越えたのかも書かれているので、非常に参考になります。

どういう時にこの作品を読み返していますか？

はじめは柳田さんに興味があってこの作品を読んだのですが、この企画をきっかけにもう一度読み直しました。ちょうど今私のサロンでは、退職者が出てきて人手不足で悩んでいるときだったのです。

というのも、あるときに、スタッフのお給料の価格設定が高すぎていたことが発覚したのです。

実際に赤字が続いた時期があり、どうしても価格を変えなければならないときに、スタッフのモチベーションが下がってしまい、退職者が出てしまいました。

またこれから頑張らなければいけないというときに、この柳田さんの作品を読んで勇気づけられました。何度も読み返したいと思う作品です。

作品との出会いをきっかけにどのような変化があったか教えてください

私は今まで、失敗したときに「直感」を言い訳にしていました。直感でそのように行動したほうがいいと思ったのだから、失敗しても仕方がないと思っていたのです。

しかし、もっと人を頼り、丁寧に人に伝えていく必要があるのだと感じました。自分だけでなく、ほかの人を頼ることでできることもあると学びました。

今ではスタッフなど、なるべく周りの人に丁寧に考えや想いを伝え、頼っていこうと意識して行動しています。

この作品をバイブルとして挙げた理由は？

この作品をバイブルとして挙げた一番の理由は、共感できるという点です。

この作品には、エステティシャンとして、エステサロンのオーナーとして活動していくにあたり、誰もが経験するであろう悩みが柳田さんの経験ベースでリアルに書かれています。

本を読むときは、その瞬間に悩んでいる部分が最も心に残ると思うのです。私も昔と今とでは悩みが違い、この作品を読んで心に残る部分が変わりました。

おそらく、みなさまもこの作品を現在、あるいは5年後10年後に読むのとでは、心に残る部分が変わると思います。

この先何度も読み返してほしいという意味でも、この作品を挙げさせていただきました。

エステティシャンとしての成功の秘訣を学べるバイブル

矢野先生のバイブルは、経験談をベースにエステティシャン特有の課題の解決方法を学べる柳田 依璃先生の本でした。

●矢野先生からのメッセージ

私はコンプレックスの塊で、自分がきれいになりたいと思ってエステティシャンを始めました。8年ほど別のサロンで勤務した後、子どもが小さかったことをきっかけに自宅でサロンを始めようと思ったのです。

本当に何もないところから始めたので、炊飯器をホットキャビンとして使っていた期間もありました。サロンメニューも、近所の人に頼んで作ってもらったのです。

そんな状況から始めたサロンでしたが、3カ月後には予約の取れないサロンになり、1年後には今の場所へ移転しました。

そのため、やろうと思えばできるということをみなさんに知ってほしいと思います。そして、ぜひさまざまなことにチャレンジしてほしいです。

また、人生でもなんでもそうだと思うのですが、一人で悩んでいても答えは見つかりづらいでしょう。

悩んでいるときは、他の人に話し、頼ってみてください。本を読むことでもいいです。他者との関わりを増やすことで、必ず解決できると信じています。