エステティシャンの育成や指導などに尽力されているベテランオーナーから、自身が経営や人生の選択に迷った際に読み返すバイブルを教えてもらう「あの人のバイブル」。
今回は、IBELLAの代表および(一社)日本チャクラ美容協会理事長として活躍する、有限会社ジュノー 飯尾 憲子先生の人生のバイブルを教えていただきます。
お話をうかがったのは
(有)ジュノー代表取締役
飯尾 憲子先生
「サロン ドボーテ ibella〜アイベルラ〜」を36年間に渡り経営。
その他(一社)日本チャクラ美容協会理事長などを兼任し、
東洋・西洋医学を元に自身が考案したチャクラ美容メソッドでBWJメインステージやセミナー講師としても活躍。著書や監修DVD も多数発行。
弦本 將裕著『個性心理學(ランダムハウスジャパン)』
現在、サロン経営とスクール経営を中心に、セミナー講師やメイクアップアーティストなど幅広く活躍されている飯尾先生。
そんな飯尾先生がバイブルとして挙げたのは、弦本 將裕氏の著書『個性心理學®』です。
「個性心理學®」とは、個性心理學研究所® 所長 弦本將裕氏が、人間の個性を12匹の動物と60分類キャラクターに細分化し、誰にでもわかるイメージ心理学として体系化した学問です。心理学と聞くと「難しそう」と感じるかもしれませんが、「動物占い」と聞くと読んでみたいと思う方も多いのではないでしょうか?239ページとページ数は多いもののすぐに読める作品です。
飯尾先生にバイブルについてのお話をうかがいます。
作品との出会いを教えてください
取引先からの誘いで、著者である弦本 將裕先生の講演に行ったのがきっかけです。
当時の私は占いに興味がなかったため、正直あまり気が進みませんでした。しかし、せっかくのお誘いだからということで参加したところ、個性心理学は単なる占いではなく、人とコミュニケーションを取るためのれっきとした学問なのだと気づき、早速作品を買って読み始めました。
作品と出会った頃の先生について教えてください。
私は20歳で美容サロンをスタートしたのですが、その頃はまだ「エステティック」は認知度がないどころか、言葉すらありませんでした。お店を立ち上げたと言っても、自分自身の経験や人脈・知識・お金もなく、あるのはやる気と勇気だけ。
当時はお宅や会社を1軒1軒訪問し、エステの無料券を配り歩いて一人でも多くのお客様を獲得するのに懸命だったことを鮮明に覚えています。
しかし営業に回っても、エステなど必要ないと言われることが大半で、このようなことをやっていてもいつ仕事になるか分からず、先が見ない不安から落ち込む毎日でした。
自分の理想と現実の差に葛藤しながら日々を過ごす中、家族や友人に反対されても「いつかエステティックが多くの方から必要とされる時代がくる」と信じてひたすら頑張っていました。
エステティシャンになろうと思ったきっかけは?
18歳くらいのときに、突然顔全面にニキビができショックを受けました。そこで皮膚科に通ったり、色々なスキンケアを試したりしましたが、なかなか改善されず。人に会うたびに顔のことを心配されたので、段々と人に会うのが嫌になっていきました。
何をやってもダメだったので、この酷いニキビ吹出物が治るとは思えず、一生この顔で生きていくのかと気持ちが滅入っていました。
それがきっかけで、週に一度姉の知り合いのサロンに通うようになりました。すると、半年後にはニキビ跡もなくなり、肌全体もきれいになって、本当に嬉しく感動的でした!
この経験から、多くの女性をきれいにして、自分に自信を持って素敵な人生を歩むお手伝いができるエステの仕事をしたいと思い、エステティシャンになろうと決意しました。
作品との出会いをきっかけにどのような変化があったか教えてください
ストレスの原因の大半は人間関係だと思っていた私にとって一番の変化は、「個性を知り、他人の考えを認めることが人間関係の円滑さにつながる」と気づけた点です。経営者として・親として、どうしても自分中心で考えてしまいがちですが、個性は遺伝しない、社員でも子供でも自分と考えは違って当たり前と気がついたのです。
個性心理學を知ったことで、当時15年ほど経営していた私のサロンにも大きな変化がありました。
同じ言葉を言っても、実は感じ方は人それぞれ。相手の個性を知り受け入れることで、相手にわかりやすく会話できるようになります。つまり、個性がわかることで、社員やお客様とコミュニケーションがとりやすくなるのです。
そのため、「このお客様にはこの新人のスタッフの方が伝わりやすいのではないか」といったように、相性の良し悪しを考え、実践できるようになりました。すると、新人スタッフでもお客様とのコミュニケーションが円滑になり、サロン全体が明るく、皆が笑顔になりました。
スタッフにもこの作品を紹介し、個性を楽しく学ぶ学問として説明していたので、1人でも対応できることが増えたため任せられるところは任せて、成長させてあげられるようになったのは大きな変化だったと思います。
この作品をバイブルとして挙げた理由は?
私は自分の経営者として未熟な部分を補うために、いろいろな本を手に取ってきました。その中で、手元にずっと置いて見返している作品は『個性心理學』だけでした、正にバイブルですね。
また、社員教育やお客様とのコミュニケーションに特に悩んでいた時期にこの作品と出会い、自分やサロンが大きく変わるきっかけを与えてくれたので同じように悩むサロン経営者の方に知って欲しいと思っています。
人それぞれが持つ個性について学べるバイブル
飯尾先生のバイブルは、「個性」について分かりやすく学べる弦本 將裕氏の『個性心理學』でした。
●飯尾先生からのメッセージ
エステに限らず、何かを始めるときは「好きなこと」を基準に始めている方も多いと思います。
私は駆け出しのころから、出会った方との一期一会をとても大事にしてきました。お客様一人を獲得するのにもすごく大変な時代だった経験をしてきたからこそ、人のご縁は宝物と思っています。
人は成長する時、壁にぶつかり悩むこともあると思いますが、それは経験値となって後に生きてきます。私もたくさん悩み上手くいかないことも多々ありましたが、今振り返るとすべて無駄ではなかったなと感じています。
サロン経営に悩み、つらくて投げ出したくなったりしたときは、「自分がなぜこの仕事を始めたのか」を初心に帰って思い出し、自分を見つめなおしてみてください。また、自分の個性を知り認めることも大切。
初心を忘れず成長と学びを積み重ねることで、どんなことがあっても笑顔で乗り越えられるようになってくると思います。
夢は自分が叶えるものですから、頑張ってください!