エステティシャンの育成や指導などに尽力されているベテランオーナーが、自身が経営や人生の選択に迷った際に読み返すバイブルを教えてもらう「あの人のバイブル」。

今回は、「SALON MARIE」のオーナーとして活躍されている、中川 麻理子先生の人生のバイブルを教えていただきます。

お話をうかがったのは

永松 茂久著『人は話し方が9割（すばる舎）』

現在、大阪府でエステティシャンとして活躍されている中川先生。

中川先生がバイブルとして挙げられたのは、永松 茂久先生の著書『人は話し方が9割』です。

中川先生の今の接客にもつながっているというこの本。お客様とのコミュニケーションにおいて、重要なことが詰まっている作品だそうです。

中川先生にバイブルについてのお話をうかがいます。

作品との出会いを教えてください

この先生の作品を読んだのは、『人は話し方が9割』で2冊目です。1冊目の本を見つけたときに、「好きな人とだけ一緒にいなさい」ということが書いてあり、どういうことだろうと興味を持って読みはじめたのがこの先生の作品との出会いでした。

実際に本を読み進めてみると、人付き合いで無理はしなくていいということが書かれていました。その当時私は少し病んでいたので、この本にはとても助けられました。これをきっかけに本当に好きな人とだけ関わろうと決めました。

その後本屋に行った時に、『人は話し方が9割』を見つけました。最初は気付いていなかったのですが、私が前に感銘を受けた作品の著者と一緒だったのです。

内容は小さなたこ焼き屋から始まり、大企業の社長になるまでの物語です。私の家も商売をしていたので、この手の話はとても参考になりました。

作品と出会った時の自分はどのような状態でしたか？

当時はコミュニケーションに悩んでいました。私は来るもの拒まずだったので、いろいろな人が寄ってきたのです。

中には付き合うのがしんどい人もいたのですが、この作品に出会って、思い切って関係を切ることができました。

ちょうどいいタイミングで、この作品に出会えたと思います。

作品との出会いをきっかけにどのような変化があったか教えてください

自分が話す前に、「お客様の話をまず聞く」ことに意識が向くようになりました。この作品には、「まず人の話を聞いてあげなさい」ということが書いてあります。

エステに来るお客様は、相談しにくいデリケートなお悩みを沢山お持ちです。あまり人には言えないけど話したいことがあると思っています。

そこで、どうしてサロンに来てくれたのかをまず聞くようにしています。そうすると、お客様が話したいことを話してくれるのです。お客様が話している間は、ひたすら共感することを意識しています。

まずお客様の話を聞いてあげることで、お客様の求めることをお返しできるので、すごく満足してくれます。エステに来て楽しかったと言ってくれるお客様が多いのが、私のサロンの特徴だと思います。

この作品をバイブルとして挙げた理由は？

エステサロンで接客するうえでは、お客様への気配りやコミュニケーションが最も大事なことだと思っているからです。

この本のタイトルは『人は話し方が9割』ですが、コミュニケーションはまず聞くことから始まります。この作品に出会ってから、話すことはもちろん、聞くことの大事さにも気づけました。

ぜひこの作品を読んでいただいて、お客様とのコミュニケーションについて、何か一つでも吸収してもらいたいと思っています。

コミュニケーションの基本を学べるバイブル

中川先生のバイブルは、話し方のみならず、聞くことの大事さを学べる永松 茂久先生の本でした。

●中川先生からのメッセージ

エステのお仕事は細やかな配慮で成り立っています。体調は悪くないか？暑く（寒く）ないか？居心地はいいのか？などは基本中の基本です。

私のサロンでは細やかな配慮を徹底した結果、お客様から信頼をいただき、メンタル面でのカウンセリングのようなお話もしています。

エステに限らず、どんな商売でも基本は一緒だと思います。まず、お客様の立場を考えて、満足度を上げることを意識してみてください。

私の場合は、話に共感してもらえることが満足度につながると考えているので、お客様の話をまず聞いて共感し、そこから自分も話し始めます。

ただ、お客様に対して成り下がる必要はなく、共有も大切にしており、「これ、新しく入った商品なのですが、一緒に試してみませんか？」と話すこともあります。

自分のファンになってもらえれば、お客様はリピートしてくれます。お客様が満足していただいたら、お客様からお客様を紹介していただける、それが本当の口コミだと確信しています。

目先の売り上げなどは気にしないでください。すべての人に感謝の気持ちを忘れずに、私は今後も人と人の繋がりを信じていきたいと考えています。