エステティシャンの育成や指導などに尽力されているベテランオーナーが、自身が経営や人生の選択に迷った際に読み返すバイブルを教えてもらう「あの人のバイブル」。

今回は、「有限会社limpio」の代表として活躍されている、草野 元子先生の人生のバイブルを教えていただきます。

お話をうかがったのは

ジョージ・S・クレイソン著『バビロン大富豪の教え（文響社）』

現在、千葉県にて「トータルビューティーサロンQUEST」の運営やオリジナル製品の開発・販売、また美容サロンアドバイザーなど多岐にわたって活躍されている草野先生。

そんな草野先生がバイブルとして挙げられたのは、ジョージ・S・クレイソン先生の著書『バビロン大富豪の教え』です。

当時の草野先生にとって衝撃的な内容だったというこの本。意外に見落としがちな点に気付かせてくれる作品だそうです。

草野先生にバイブルについてのお話をうかがいます。

作品との出会いを教えてください

エステ業界歴はそれほど長くないのですが、美容室を22年ほど経営しています。今でこそしっかりやれていますが、当時は20代前半で何も分からないままスタートしました。

そこで、どうやって経営していけばいいのかという壁に当たったのです。そのときにようやく調べてみようとなり、普段本は読まないのですが、本屋さんでこの本を買いました。

作品と出会った時の自分はどのような状態でしたか？

開業をして少し経った頃でした。正直、生活費くらいなら稼げるレベルではうまくいっていました。しかし、新たな事業に挑戦できるほどの余裕はありませんでした。

当時、トータルビューティーサロン以外にも色々なビジネスをやりたかったので、もっとステップアップするにはどうすればいいのか、試行錯誤していたことを覚えています。

作品との出会いをきっかけにどのような変化があったか教えてください

お客様の目線を意識するようになりました。また、この作品を通して「世の中の仕組み」や「お客様がどのような言葉にときめいてお金を使われるのかといった顧客心理」についての理解が深まりました。

また、自分たちにしかできないことをしっかりお客様に伝えることも心がけています。なぜなら、お客様の心を掴んで初めて、お客様はサービスに関心を持ち、お金を払ってくれるようになるためです。

キャンペーンやメニューの内容をしっかり伝えるようになったのは、この作品との出会いによる変化だと思います。

この作品をバイブルとして挙げた理由は？

この本に書いてあることは、どれもいい意味で衝撃的でした。というのも、私たちが知らないような稼ぎ方などではなく、一見すると小さなことがたくさん書かれていたのです。

例えば、「期間限定や新発売のものに飛びついてはいけない」ということが書かれていました。冷静に考えるとそうなのですが、意外に見落としがちなことだと感じました。

一方で、商売をする側はこの本に書いてあることと逆のことをやればいいと考えられます。エステでも、期間限定キャンペーンや新メニューを作ると、お金を落とす仕組みが作れます。

この本をきっかけに、自分の価値観が変わりました。できていると思っていたことができていなくて、案外小さなことに気を遣うべきなのだなと衝撃を受けた作品なので、バイブルとして挙げさせていただきました。

経営に大事なポイントを学べるバイブル

草野先生のバイブルは、世の中のお金の仕組みから経営の重要なポイントを学べるジョージ・S・クレイソン先生の本でした。

●草野先生からのメッセージ

まず、お客様を一番大事にしてほしいです。大勢の中の一人ではなく、一人ひとりを大事にしてほしいと思います。私も、必ずお名前を呼ぶようにしています。

お客さまも適当にあしらわれるより、名前を呼んでもらった方が嬉しいと思うのです。そうすると、お客様も店のことを大事に思ってくれるようになります。そこに注力できれば、仕事も楽しくなると思います。

また、仲間を増やすのがおすすめです。悩みなどを話せるサロンを見つけて、スキルや考えをシェアすると、切磋琢磨して一緒に成長できます。

自分が最初に教える側になると自然に人が集まってくるので、なかなか仲間のサロンが見つけられないという場合は、自分から情報を発信していくのがおすすめです。

まずは悩みを話すだけでも大丈夫です。悩みを話せば、必ず誰かが解決してくれます。自分の頭のなかで考えがちですが、自分の考えの中にないから悩んでいると思うので、誰かからヒントを得て、実行していくことが大切です。自分一人で悩まず、どんどん話すようにしてみてください。