エステティシャンの育成や指導などに尽力されているベテランオーナーが、自身が経営や人生の選択に迷った際に読み返すバイブルを教えてもらう「あの人のバイブル」。
今回は、有限会社オンファールミキ/株式会社ジュレーナの代表として活躍されている、梅北美樹先生の人生のバイブルを教えていただきます。
お話をうかがったのは
有限会社オンファールミキ/株式会社ジュレーナ 代表
梅北美樹 先生
1991年10月に創業、エステサロン、スクール、オリジナル化粧品販売を行う。
国際連盟INFAゴールドマスター取得
エステティック協会正会員永年30年表彰
エステティック歴35年、ジュレーナ式リンパ手技術スクール、手技術DVDを発売後進の育成に真摯に取り組みエステ業界の発展にも尽力している。
Instagram:@mikimiki_day
Facebook:オンファールミキ
ルーシー・モード・モンゴメリ著『赤毛のアン(新潮文庫)』
現在、エステサロン経営、スクール運営、オリジナル化粧品販売など、多方面で活躍されている梅北先生。
梅北先生がバイブルとして挙げられたのは、ルーシー・モード・モンゴメリ先生の著書『赤毛のアン』です。
梅北先生が学生時代に出会ったというこの本。今の考え方にも、大きな影響を与えている作品だそうです。
梅北先生にバイブルについてのお話をうかがいます。
作品との出会いを教えてください
私が小学生だったころ、作品がアニメとしてテレビで放映されていたのがきっかけです。学校の図書室でこの『赤毛のアン』の題名をみて手に取ったのが作品との出会いです。
当時、私も容姿が赤毛だったり体がガリガリだったりと、アンとコンプレックスが通ずるところがたくさんありました。そのおかげで、すっかり夢中になってアンになった気持ちで読んでいたのだと思います。
作品と出会った時の自分はどのような状態でしたか?
リーダー的な側面があった一方で、心配性でもあり泣き虫でもありました。リーダー的に演出する自分と本当は自信のない不安な自分との間で、子どもなりに葛藤を抱いていたのだと思います。
当時の自分とアンの状況が似ていて、通ずる部分が多かったからこそ、アンの生き方に感銘を受け、自分と重ねて読んでいました。
作品との出会いをきっかけにどのような変化があったか教えてください
『赤毛のアン』からは、大事な考え方を学んだような気がします。
この作品のなかで、アンが一度孤児院から養子縁組を希望する家庭に引き取られるのですが、本当は男の子が欲しかったということで孤児院へ戻されてしまいます。そのときに馬車に乗って帰るのですが、アンはその出来事をものすごく前向きに考えるのです。
楽しいドライブだと思ったり、馬車に乗れる自分はすごいと思ったり、とにかくプラス思考なのです。そこで、「自分もそのように、どんなことでも前向きに捉えればいいんだ」と思えたことが、今思えば人生の転機だったと思います。
『赤毛のアン』からは、ポジティブシンキングや自己肯定感といった前向きに物事を捉えるための大事な方法を学びました。
この作品のなかで、感受性の強いアンはその都度の辛い出来事も、現実をしっかり受け入れ、理解しながらも前向きに空想し、考え行動するのです。
「私もどんなことでも前向きに捉えれば楽しく生きられるのだ」と気付かされました。この本の出逢いが今の自分を支えており、さらにはエステティシャンを私の天職だと思えた人生の始まりだったかもしれません。
この作品をバイブルとして挙げた理由は?
「今日に幸せがあるということは、明日もどこかに幸せがある。」
そのように前向きに考えられるアンの考え方が詰まっていて、読んでいて勇気づけられる本だからです。
今の幸せに気づけるようになれる本なので、ぜひみなさんにも読んでいただきたいです。
幸せと捉える考え方を学べるバイブル
梅北先生のバイブルは、今の状況を幸せと捉える考え方を、アンを通して学べるルーシー・モード・モンゴメリ先生の本でした。
●梅北先生からのメッセージ
自分が無理をしないこと、やっていて楽しいと思えることを一生懸命やっていくなかで、自分の想いとお客様の想いがつながります。
一生懸命、頑張っていれば、必ず迷いや葛藤が生じます。そんな時には目の前のお客様に真摯に向き合うという原点に戻ることが第一です。
今の自分のできることを一生懸命やることが、結果的には長く続けられることにつながるのではないかと思います。
努力や想像力、明るさがあれば、道は必ず開け、作ることができることを信じて継続していきましょう。
そうすると、周りの方々も心から協力し助けてくれるはずです。感謝という気持ちを、これからも仕事を通じて表現して生きていくことが大切だと思います。
また、自分が一生懸命続けてきたことが上手くいっている時ほど謙虚な姿勢を心がけるようにしましょう。私は、自分自身が慢心していると感じたら、父が、今の仕事を始めたばかりの私に送ってくれた「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉を思い出しています。
私もお客様とのその時、その一瞬を大切に楽しい未来を想像しずっとチャレンジしていきます。
これからの人生は、年代に応じた自分を見つめ直し、若者の力となって生きていけたらと思っております。