リーダーとしての心得を学べるバイブル【有限会社エフ・ビューティ 代表取締役 木代 侑里 先生】あの人のバイブルVol.24

エステティシャンの育成や指導などに尽力されているベテランオーナーが、自身が経営や人生の選択に迷った際に読み返すバイブルを教えてもらう「あの人のバイブル」。

今回は、メイクアップスクールやエステティックサロンを運営する会社の社長として活躍されている、木代侑里先生の人生のバイブルを教えていただきます。

お話をうかがったのは

有限会社エフ・ビューティ 代表取締役

木代 侑里 先生

20歳のころから美容部員として第一線で活躍、某大手化粧品メーカーで美容部長を務める。

その後、顧客ニーズをキャッチしたオリジナル化粧品の提案・開発を経験し、化粧品メーカーの一事業部を継承する形で独立、有限会社エフ・ビューティ創立。

ベルギー発の国際ライセンス、ボディケア・メイクアップ両ジャンル取得。

現在は、化粧品会社から美容部員向けの研修会に講師として招かれることが多く、東京近郊はもちろん、九州・大阪・名古屋など活躍の場は全国に及ぶ。

老人ホームのケアマネージャーにアドバイスすることだけでなく、一人一人のご年配入居者の方にスキンケアとメイクも手掛けている。

HP:https://f-tetrads.com/ag/top.php

竹村亞希子著『リーダーの易経-時の変化の道理を学ぶ-(PHP出版)』

現在、有限会社エフ・ビューティ代表取締役として活躍されている木代先生。

木代先生がバイブルとして挙げられたのは、竹村亞希子先生の著書『リーダーの易経-時の変化の道理を学ぶ-』です。

社長をはじめ、リーダーに必要な心得が書かれているというこの本。木代先生の中で、今も大事にしている考えを学んだ作品だそうです。

木代先生にバイブルについてのお話をうかがいます。

作品との出会いを教えてください

私が社長になったとき、東京商工会議所の女性会に入りました。そこで、リーダーになるならこの本を読んでおくといいとおすすめされたのが、この作品に出会ったきっかけです。

正直、内容は難しいです。当時推理小説好きな私でも読んでタメになったため、ぜひみなさんに紹介したいと思いました。

この作品の内容は?

簡単に言うと、龍が土の中で力を蓄えて、空に昇って雨を降らせ、また地に戻って力を蓄えるという内容です。

よく占いでも春夏秋冬というものがありますが、それになぞらえて、「春に種をまいて夏に栄養を蓄え、秋に刈り入れをする、その時期はいつなのかを見極めるのが大事」ということが書かれています。リーダーは自分の立場を踏まえて、時世がどのようになっているかを捉えなければならないということです。

作品と出会った時の自分はどのような状態でしたか?

最初に言っておくと、社長になりたいと思ってなったわけではありません。一部上場企業が運営している化粧品会社の美容部長を務めていたのですが、会社が多額の赤字を出し、担当していた事業を辞めざるを得なくなってしまったのです。

そこで、その会社と商権をあげるから社長をやりなさいと言われたのがスタートでした。いま思えば、ラッキーな始まりだったと思います。そこで、せっかく商権をいただけるならということで、会社を始めました。

当時、自分は社長の器ではなく、二番手の器だということは自覚していました。みんなを引っ張っていくタイプではなく、みんなと一緒に頑張っていこうというタイプだと思っていたのです。

ただ、いざ社長業をやってみると、とてもおもしろかったのです。そこでこの作品と出会い、さらに社長としてスキルアップできたと思います。

作品との出会いをきっかけにどのような変化があったか教えてください

人生の中には、必ずうまくいかないときがあり、そこをどう過ごしていくのかが大事だということを、この作品から学びました。

たとえ今が下り坂でも、その先に待っているのは上り坂であるため、今は辛抱の時期だと捉えられるようになったのは、この作品のおかげだと思います。

この作品の中で特に好きな部分は?

先ほども少し話しましたが、自分や会社の状況が、今春夏秋冬のどのタイミングにいるのかを把握するのが重要だという部分は、好きな箇所であり大事にしている箇所です。

そして特に心に残っているのは、そのタイミングを見極めるために、洞察力や直観力をみがきなさいというメッセージです。

そのおかげで、どんなに良い状況でもその先では落ち込んでしまい、逆にどんなに悪い状況でもその先には良いことが待っていると考えながら過ごせています。

リーダーとしての考え方を学べるバイブル

木代先生のバイブルは、リーダーとして考えるべきことを学べる竹村亞希子先生の本でした。

●木代先生からのメッセージ

壁にぶつかって行き詰るタイミングは、誰にでもあります。そのようなときは、なるようになると思って、一度違う世界を見てみるというのがいいのではないかと思います。深く悩みすぎず、リラックスして世の中をもう一度見てみてください。

私は行き詰ったとき、銀座で行きかう人を観察しながら、ぼうっと「この人達一人ひとりにドラマ(人生)があり、今何を思っているのだろう」と自分の中で考える時間を作るということをよくやっていました。そうすると、気持ちが楽になり、一歩進めるようになることが、私の人生経験の中ではよくありました。物事が上手く進まないように感じられる時は、自分の考えに固執しすぎず、外の世界に目を向けてみてください。

また、変化があるからこそ、自分の成長があります。変化することを恐れず、成長を続けてください。