エステティシャンの毎日ルーティンでは、エステティシャンとしてのロールモデルを見つけ、今後の方向性を見つけるきっかけとなるような、様々な方の働き方と経験をご紹介していく企画です。
第9回では、九州から日本の社会問題の解決、さらに海外へ日本のエステの進出を目標にエステティシャンとして活躍している、宮嶋 志保さんにお話をうかがいました!
お話をうかがったサロンオーナー
宮嶋 志保さん
・サロン名(会社名): Sun Fleur〜サンフルール〜 (Neika合同会社 CEO)
・エステティシャン歴:10年以上(オーナー歴:9年)
・勤務時間:10:00~18:00
・得意な施術:フェイシャル、痩身、脱毛
もともと美容が好きで、本棚の中には美容関連の本がたくさん並んでいたという宮嶋さん。「好きなことを仕事にしたい」と美容の道へ進むことを決意しますが、なかなか希望するような就職先に巡り会うことができませんでした。そのため、まずはエステの勉強をするために学校に通い、そこで知り合った方の脱毛サロンへ就職します。フェイシャルやマッサージの勉強をするために一度転職し、その後独立。個人事業主として働いたのち、税理士のアドバイスのもと現在の会社を設立しました。
そんな宮嶋さんの代表的なタイムスケジュールは、次の通りです!
7:00 | 起床。今日のタスクを洗い出しながら瞑想をする。子供のお世話。 |
9:00~19:00 | スタッフがサロンの開店準備をしてくれている間に夕食準備、銀行回りなど事務作業。10時よりサロン開店・施術開始。サロンでの施術や別業務、スタッフに施術を任せて外部オンラインミーティングをすることもある。空き時間にスタッフとのミーティングも行なう。その際、技術確認とスタッフ同士の美容維持もかねて、マッサージをしながら行なうことが多い。 |
19:00 | 施術終了。一日の仕事を振り返る。家の残りの家事を行なう。 |
20:00 | 子供との会話をした後、グロービス大学院での勉強。授業がない日は課題や勉強会。(半身浴やエアロバイクで運動しながら読書や勉強、英会話学習、心と身体の健康のためヨガやストレッチなども行なう) |
0:00 | 就寝。 |
写真右:経営学を勉強しているグロービス 経営大学院授業の様子(提供:グロービス大学院 )
お客様を幸せにしたいという思いからエステティシャンを志しましたが、次第に従業員やお客様、そしてその家族など、守りたい人々が増えていきました。そういった方々を救うためには、エステの勉強だけでは不十分だと感じたため、現在はエステティシャンとして活動しながら経営を学ぶためにグロービス経営大学院に通っています。エステの力で少子化問題や地域問題等の社会問題を解決したいという考えが私の根本にあり、グロービス大学院やプライベートでも、様々な業界との人脈作りも積極的に行なっています。
エステティシャン、大学院生、2児の母、と多忙を極めている宮嶋さんに、以下の質問をしてみました!
Q.どうして大学院に行こうと思ったのですか?
サロン経営を始めて4年ほど経ったとき、ようやく経営が安定してきました。その反面、経営の伸び悩みを感じていました。そこで思い切って2018年に福岡市の起業家育成プログラム「Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA」のサンフランシスコ・シリコンバレー視察に参加してみることにしたのです。そのプログラムの一環で参加したシリコンバレー企業のスケールの大きさに圧倒され、このとき初めて世界と今の自分の差分を埋めたいと考えるようになりました。このときに経営のノウハウについて学ぶことの必要性と重要性を再認識しました。
助けたい人がたくさんいますし、これからも増えていくことでしょう。しかし、サロンを成長させなければ助けられない人も出てきてしまうと思います。そのような事態にさせないためにもっとサロンを成長させなければと思い、グロービズ経営大学院で勉強することにしました。それまではエステティックのことだけを勉強していて、経営に関しては全くの素人でしたが、狭い範囲の知識や情報だけではいつか壁にぶつかります。グロービズ経営大学院での勉強はサロン以外の知見を広げることにも役立っています。
Q.MBAではどんなことを学んでいるのですか?
MBAのカリキュラムは、「ヒト、モノ、カネ」の3つの領域で構成されています。組織行動、リーダーシップ、人材マネジメント、マーケテング、経営戦略、アカウンテング、ファイナンスなどの科目を一通り学んだ上で、応用編の専門的な内容や領域横断の内容を学びます。受講生には様々な業界の方がいます。多くの受講生とのディスカッションや勉強会を通じて、積極的に学びを深めている最中です。
(参照:https://mba.globis.ac.jp/about_mba/curriculum.html)
Q.大学院で学んでいるとのことで、他業界の方とのつながりが多い印象ですが、これまでも様々な方との交流は多かったのですか?
自分のサロンを経営していると、どうしても狭い範囲での情報が多くなり、考え方も偏ってきてしまいます。そのため意識的に他業界の人と関わるようにしています。今のグロービス経営大学院では同期だけでも約1,100人いますが、エステサロン関係者はまだまだ少ないです。また、これまで海外に視察しに行く起業家育成のプログラムに参加したこともあるのですが、海外志向の人と関わるのはとても楽しく、刺激になります。様々な業界の方とのコミュニケーションはエステティシャンとしてお客様と接していた経験が役に立ち、今では誰とでも楽しく話せるようになりました。
Q.INFA国際ライセンスゴールドマスターやINFA国際エステティック連盟講師の資格もお持ちですが、資格を取得することに関心があるのですか?
本物を学びたいのです。すごいなと思う方に「どこで習ったんですか」と聞いて回っていたことがあるのですが、その中で出会ったのがINFA日本校でした。国際ライセンスであることと知識(解剖生理学など)もしっかりしていたことに惹かれました。そして何よりも魅力的だと感じたのは、お客様にきれいになっていただきたいという、深く、ひたむきで謙虚な心の姿勢です。INFAで学べたからこそ、自分の中でエステティックの軸ができ、前へ進めました。お客様に合わせて、自分の頭で考えられるようになったことも大きな進歩だと思っています。今の経営大学院で学べているのはINFAでの学びの軸があるからだと感じます。
(参照:http://www.infa-japan.gr.jp)
Q.今後の展望を教えてください!
エステを通して少子化問題や地域問題にもアプローチしたいと思っています。お客様との距離が近いことがエステティシャンの強みです。実際に施術をしていると、お客様から『なかなか子どもを授からない』『自分に自信が持てず、婚活に積極的になれない』などのお悩みをうかがうこともありますが、このようなお悩みはエステサロンの施術内容でサポートできると思っています。たとえばマッサージで血流を促し子宮の働きを活性化させたり、フェイシャルやボディメイクでお客様の美しさを底上げしてあと一歩の勇気を与えることもできますよね。このようにエステの力をフル稼働させて、妊活や婚活の問題も解決していけたらいいなと思っています。
同時に、日本のエステを海外へ進出させるため、海外をもっと見たいと思っています。そのためには私自身が海外と日本国内の生活や文化、悩み事などについてさらに深く理解しなければならないと思っています。世界的に日本の美容技術は優れていると言われているものの、実際のところ日本の美容技術はうまく世界進出を出来ていないような印象を受けます。美容業界全体の成長のためにも、グローバルな視点が必要だと感じています。
Q.マストバイマルシェセミナーへの意気込みをお願いします!
初めまして。宮嶋志保と申します。今回、『MUST BUY MARCHE 2023』に参加させていただき大変光栄です。
私自身ここ4年間は、経営大学院で、MBA(経営学修士)を取得していました。エステティシャンでは日本初だと思います。
今はVUCAの時代。VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)の事です。変化が激しく、あらやるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生する将来予測が困難な状態です。経営の視点でも、技術の視点でも、『自分の力で考え』、『自ら変化できる』エステティシャンがどんどん増え、世界で活躍してもらいたいと心から願っています。
まとめ
今回は、大学院での勉強と子育てを両立させているエステティシャンの宮嶋さんにお話をうかがいました。エステサロンを経営するために必要なことは、美容技術の向上と経営の知識だという考えから大学院に通い、積極的に新しい考えやグローバルな視点を取り入れている姿は、まさに働く女性のお手本そのもの。
取材中も常に上昇志向な発言が多く、エステティシャンとしての使命感の強さ、そしてご自分の仕事に対する自信とポジティブさがうかがえました。
一人のエステティシャン、エステサロンオーナーとして、ぜひ自分に合ったライフプランを見つける参考にしていただければと思います。
エス通主催『MUST BUY MARCHE2023』が新宿で開催!
エステの“いま”を感じる1日限定展示会で、 サロン必見の製品お試しや、豪華講師陣によるセミナーを同時開催します!
今回ご協力いただいた宮嶋さんもご登壇いただきます!
9名の豪華サロンオーナーによるセミナーも、是非チェックしてみてください!
詳しくはこちらから↓