エステのボディケア機器を完全攻略!お客様に合わせた機器の選び方 【前編】

エステ業界では、エステ機器も日進月歩で進化を続けています。お客様の要望に沿うようにと導入した機器の効果や使い方についてしっかり説明できますか?この記事ではエステサロン向けボディケア機器の種類とそれぞれの効果を解説します。

新たなボディケア機器が続々と登場する美容業界。お客様のお悩み解決のため導入したものの、正直違いがわからない……という方も多いのではないでしょうか?

本記事では、ボディケア機器の種類とそれぞれの効果についてご紹介します。

ご自身のサロンには、どのエステ機器を導入したら良いのか迷っている方は、ぜひご覧ください。

教えてくれた先生

渋谷DSクリニック渋谷院

院長 林博之先生

東京慈恵会医科大学卒業、同付属病院入局。東京慈恵医科大学形成外科講師、東京厚生年金病院形成外科医長を歴任。

2005年にダイエット専門院・渋谷DSクリニックを開院、院長就任。これまでに10万人以上の治療実績を誇り、患者の目的に合わせたボディケアに取り組んでいる。

それぞれのエステ機器の特徴を解説

エステサロンにどのボディケア機器を導入するかは、施術メニューやお客様の悩み改善に直結する重要な選択です。

それぞれのエステ機器の特徴を知り、さらに効果的に活用しましょう!

吸引・ローラー

硬くなった皮下脂肪を吸引したり揉みほぐすことによって、燃焼されやすい状態にするエステ機器です。

脂肪細胞が肥大し、代謝不良によって老廃物の排出がスムーズに行なわれずに凝り固まると、セルライトへと変化してしまいます。

この硬く分厚い皮下脂肪の燃焼・分解には、まず柔らかくして流す必要があるため、吸引・ローラーが脂肪へのアプローチの第一段階として有効的です。

高密度電磁パルス

「高密度電磁パルス」は、体を傷付けずに筋肉を鍛えられるエステ機器です。

強力な電磁を利用し、体内に電気や熱を照射することなく体の表面から深部まで強力な筋収縮を引き起こすため、効率的な筋肉トレーニングが可能です。

また、筋肉のエネルギー需要が急上昇することで脂肪細胞の機能障害を誘発し、減少へと作用します。

医療用ボディケア機器『エムスカルプト』では、MRIと等しい1.8テスラの強力な電磁を利用しています。

EMS

低周波で浅い表筋層に刺激を与えることで、血行促進、代謝向上、筋肉増強作用による引き締め効果が期待できるエステ機器です。

0.1〜1,000Hzが主流で、業務用EMSは中周波で1,000〜10,000Hz、高周波は10,000Hz以上の機器もあります。

周波数が高くなると深い筋肉に到達しますが、そのぶん筋肉を収縮させる力が弱まるため、低周波のEMSが一般的です。

キャビテーション

キャビテーションとは「空洞現象」を意味し、超音波で体内の細胞間に発生させた気泡が弾けることで脂肪細胞の分解を促進するエステ機器です。

周波数は20kHzほどで、低中周波に分類される。キャビテーションに関しては家庭用より業務用のほうが周波数が低く、より深くまで作用します。

痛みが少なく、狙った部位をピンポイントにケアできる特長があるため、一般的に脂肪が落ちにくいといわれる部位への施術に適しています。

ラジオ波

「高周波」とも呼ばれる電磁波を利用するエステ機器です。ラジオと同じ10〜300MHzの周波数を使用するもので、高周波治療、インディバ、ハイパーナイフなどが該当します。

体内に摩擦熱による温熱を発生させて、冷えた皮下脂肪を深部から温めて血行を促進する機能があります。これにより代謝が向上し、コラーゲンの活性化、デトックス作用、冷えの改善などが期待できます。

体内の皮下脂肪を燃焼しやすい状態へと変化させますが、脂肪の分解を目指すには筋肉運動との併用が必要です。

エステサロンに求められるのは独自性とエビデンス

お客様が自宅でケアできない施術や手技など「これはどこにも負けない」という独自性を打ち出すことが最も重要です。

また、客観的なエビデンスを掲示することはお客様の信頼を勝ち取るためにも必須です。

例えば推定内臓脂肪量がわかるエステ機器などを導入し、ビフォーアフターできちんとした数値を示すことができれば説得力が増し、お客様のモチベーションも上がります。

エステ機器と周波数の関係

「周波数」とは1秒間に繰り返される電気の波の数のことを指します。

周波数はメカニズムとして、低いほど波長が長く、刺激作用が強くなり、高くなるほど熱作用が強くなります。

この「刺激」と「熱」の2つの作用を活用し、多様な周波数を利用した美容機器が開発されています。

エステ機器の疑問を林先生に質問!

お客様の肌に直接触れ、施術を行う機材となるエステ機器は、正しい知識を持って使用することが重要です。

また、お客様からエステ機器について「どんな意味があるの?」と質問された時に答えられないと、サロンやエステティシャンへの信頼度は下がってしまいます。

渋谷DSクリニック渋谷院の林博之院長に、エステ機器に関する疑問に答えて頂きました。

Q1. どうしていくつも種類があるの?

A1. そもそも年齢や性別、体質の違いや脂肪の硬さなどが一人ひとり違いますし、筋肉を鍛えたい方や脂肪にアプローチしたい方など目的もさまざま。

多様なニーズに対応できるように、周波数が異なる電磁波を利用したボディケア機器がたくさん開発されているのです。

Q2. 誰にでも使えるの?

A2. 人工ペースメーカーなど体内に金属が入っている方や、てんかん、糖尿病、高血圧、脳血管障害、骨粗しょう症、皮膚トラブル、精神疾患をお持ちの方、美容整形経験者などは施術できない可能性があります。

また、妊娠中や妊娠の可能性がある方も施術できません。

Q3. どのくらいの頻度をオススメすべき?

A3. 当クリニックでは、ラジオ波・キャビテーション・EMS・吸引ローラーに関して1週間に1〜2回、HI-EMTは2,3週間に1回のペースをオススメしています。

頻繁に施術すればいいわけではなく、体への負担や効果の出やすさを考える必要があります。

Q4. それだけで痩せるの?

A4. ひとつのボディケア機器を使うだけでは、効果はなかなか見えづらいのが正直なところです。

異なる機能を持つ機器と併用することでさらなる結果をねらったり、もっと根本的なことをいえば、食事面への配慮をするなどダイエットを促したりすることも大切です。

エステ機器の導入で独自性を!お客様に合った機器の選び方は?

他のサロンにはないエステ機器を導入することは、サロンの強みや独自性に繋がります。

しかし、エステ機器を利用する際に正しい知識をもっておかなければ、思ったようなエステ効果を得られないだけではなく、肌トラブルに繋がってしまい、お客様からの信用を損ねてしまうリスクがあります。

それぞれのエステ機器に対する、正しい知識と活用法を知り、お客様一人ひとりの希望に合わせて提供できるのがプロですよね!

後編では、お客様のタイプに合わせたエステ機器の選び方を解説していきます。


エス通で過去人気だった特集をピックアップした記事をご紹介しました。(2021年10月号掲載)

アプリでは過去のエス通バックナンバーもご覧いただけます。ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!

👇後編の記事はこちら👇

https://esthe.media/v/column/6326