効果的な採用戦略の立て方とは【エステサロン中途採用の成功ポイント 第2回】

2020年からのコロナ禍により、多くの対面サービス業と同様にダメージを受けた美容・エステ業界。
しかし経済が再び回り始めるにつれ、お客様の足もエステサロンへと戻りつつあります。
そんな中で、エステティック通信の読者であるエステサロンオーナー様からは、新規採用だけでなく即戦力となる中途採用に非常に苦労している…という声を多く耳にします。
そこで、法人・個人のエステティックサロンやエステティシャンの皆様を幅広く支援する当メディアでは、美容・ヘルスケア業界に特化した求人サイト『リジョブ』にて法人営業を担当する武田匡⼈さん、吉澤涼⾹さんへ、中途採用が成功するためのポイントを取材しました。

シリーズ全4回にわたり、エステサロンの中途採用に役立つ情報を紹介していきます。

第1回では「現在のエステサロンを取り巻く採用状況」を解説いただきました。

▶第1回目の記事はこちら

https://esthe.media/v/column/6088

今回の記事では、エステサロンオーナーや経営会社がエステティシャン個々の強みを活かして長期的に成長していくためにはどのような採用戦略を立てればよいのか、先を見据えて実施するべきポイントを聞いていきます。

【リジョブ】とは

リジョブは、美容師/エステティシャン/セラピスト/マッサージ師/整体師/リフレクソロジストなど、美容・リラクゼーション・治療に関わる業界に特化した求人転職情報サイト。
美容・ヘルスケア業界特化型の求人メディア リジョブ

2009年のサービス開始当時、業界初の成果報酬ウェイト型サービスで、コストを抑えた採用を実現。会員登録数500,000人・掲載店舗数30,000件と業界最大級の掲載数を誇ります。
利用者は業界経験者や資格保有者の比率が高く、未経験者からマネージャー・店長クラスまで希望に合った人材を確保しやすいのが特徴。
登録者へ直接アプローチできるスカウトメール機能など、効果的な採用ができる独自のサービスもエステサロンや施設のオーナーに好評です。

【この人に聞きました】

法⼈営業Div. シニアマネージャー
武⽥ 匡⼈(たけだ まさと)さん
2016年中途⼊社/東京都出⾝。⼈材派遣業界を経て⼊社。法⼈営業Div.の成果を上げ続ける敏腕マネージャー。中途初の幹部候補として組織創りにも携わる。
【座右の銘︓初志貫徹】

法⼈営業Div. 営業担当
吉澤 涼⾹(よしざわ すずか)さん
2018年新卒⼊社/群⾺県出⾝。本格派テニス⼥⼦。⼤⼿顧客の採⽤⽀援を担当する法⼈営業として、⽇々奮闘中。2019〜2020年度リジョブ年間社内表彰において、メンバー賞を受賞。
【座右の銘︓⾃分の限界を⾃分で決めない。とにかくやるべきことをやる。】

サロンの強みを打ち出す8つの視点

目先の人手確保にとどまらず長期的に活躍してくれる人材にアプローチするには、サロンのビジョン、大切にしていること、強みなどを理解した上で応募が集まるような採用戦略を立てる必要があります。
しかし「サロンの強み」をいざ打ち出そうと思うと、意外と客観的に見るのが難しかったりします。
そこで、強みを明確にし他社や競合店との差別化を測るためのポイントを、プロの視点で教えてもらいました。


-就業時間や休みなどの勤務条件以外に、求職者にアピールできる強みや特色にはどのようなものがあるでしょうか?

武田匡人さん(以下、武田):強みとして打ち出せるポイントは主に以下の8つがあります。

  1. 研修制度・技術力
    サロン独自の技術が身につくことは、未経験者や技術力を高めたいエステティシャンにとっては大きな魅力です。
  2. チームワーク
    全体ミーティングの機会を設けているなど、社内コミュニケーションを積極的に取る機会の多さも強みになります。
  3. SDGs
    オーガニック・エシカルな商材を使用するなど、SDGsに貢献していることを打ち出せば、ビジョンに共感した人材からの応募が期待できます。
    2021年に初開催された、リジョブ主催の「リジョブアワード2021」でも、多くの企業やサロンがSDGs部門で受賞しておられます。どのような取り組みをしているか、他のサロンを参考にしてみてください。
    REJOB AWARDS 2021 | SDGs Action部門
  4. オリジナリティ
    最近の求職者の検索ワードを見ると、サロンごとの専門性やオリジナリティが求められている印象です。
  5. インセンティブ
    基本給は競合店と同等でも、インセンティブをつけることによって高スキルかつ向上心が高い人材を獲得できる可能性が高まります。
  6. おもてなし
    需要の高いサービス・技術の導入や心地よい空間づくり、心遣いによるホスピタリティなど、創意工夫を凝らした「おもてなし力」の高さで競合店との差別化を図るのも有効です。
  7. サーベイの導入
    「サーベイ」とはITツールを活用して従業員の満足度や働きやすさなどを調査することを指します。
    入社後の環境が数値として見えるため、求職者に伝わりやすく、安心して応募でき、さらにはミスマッチも防げます。
  8. 独立支援
    採用後に独立支援体制があるサロンでは、求人で事例を打ち出すことで将来自分の店を持ちたいエステティシャンからの応募が期待できるでしょう。

そのほか、予算面で可能であれば広告でより多くの求人をみてもらうように図ったり、店舗顧客からの採用や従業員の紹介により採用を行う「リファラル採用」も間口を広げるのに効果的です。

武田匡⼈さん

実践的な採用戦略の立て方

続いて、現場での採用活動にすぐに役立つ考え方や判断基準などを聞きました。

ー採用戦略の基本的な考え方を教えていただけますか。

武田:まず最初に考えるべきは、自らのビジョンや強みを、いかに魅力付けて採用に生かすかということです。
採用難易度の高いエリアでは採用が成り立たなければ事業展開すらできないため、「ここで働きたい」と思われるような強みや特徴を打ち出すことが最重要となります。

ー広く色々な人に当てはまるような募集をした方が良いのでしょうか?

武田:たしかに面を広げれば応募数は増える傾向がありますが、自社とマッチしない人材からの応募も増え、面接したものの採用が成立しないケースも出てきます。
一方、条件や特徴を詳しく掲載して応募者を絞り込めば、上記のようなロスが減るのがメリットです。

ー最近の採用動向を見ていて、トレンドや人気の訴求項目はあるでしょうか?

武田:いえ、実は採用に関してはあまり流行り廃りがないというのが実感ですね。やはり、自社やサロンの魅力を正しく伝えることが全てではないかと感じています。

ただ「やりがいさえあればどんなにハードでもがんばれる」という人は減っており、ワークライフバランスを重視する求職者が増えたことは近年の大きな流れではあります。

ー今の個人サロンで充分なので今後も採用は考えていない、というオーナー様も一定数いらっしゃいます。

武田:そうですね、特に個人サロンのオーナー様には、「人材採用後の未来」をイメージしづらかったり、施術へのこだわりが強く新人には任せられないという気持ちがあったりするのではないでしょうか。
しかし、「求人と集客はセット」とよく言われるように、人材採用がサロン運営にもたらすメリットというのは次のようにいくつもあります。

  • 売り上げが増える
  • 新しい顧客が増える
  • 単純作業を任せてスキルアップや施術に集中できる
  • 本人や家族の急病などの緊急時にお客様へ迷惑をかけずに済む

オーナー様のレベルが10だとすれば、レベル3やレベル5の人材を採用することにも実は大きなメリットがあるとぜひ気付いていただきたいですね。

■今回のまとめ

サロンの強みや特色を活かした採用戦略を立てるべし!キーワードはこの8つ

  1. 技術力…サロン独自の技術や研修制度も魅力の1つ
  2. チームワーク…社内コミュニケーションの良さをアピールしよう
  3. SDGs…ビジョンに共感した人材からの応募が期待できる
  4. オリジナリティ…近年は特色あるサロンが求められている
  5. インセンティブ…高スキル人材獲得の決め手にもなる
  6. おもてなし…高いホスピタリティは競合店との差別化が図れる
  7. サーベイ導入…客観的な働きやすさの指標が示せる
  8. 独立支援…独立したいエステティシャンの応募動機に

採用と集客を進めていくには、自社やサロンの魅力をしっかりと理解して伝えるのがポイント

  • 条件をゆるめれば応募数は増えるが、絞り込めばマッチングの精度が高まる
  • 「求人と集客はセット」採用にはリスクもあるがメリットも数多い

次回は、採用の成否を大きく左右する「求人広告」について、効果的な作成のポイントをアドバイスしてもらいます。

👇第3回の記事はこちら👇

https://esthe.media/v/column/6226