日焼けマシーンと皮膚がんリスクの関係
屋内タンニングと皮膚がんリスクに関するレビューの結果が11月17日、「Current Oncology」オンラインに掲載された。
屋内タンニング(サンベッド、ソラリウム)は、人工的な紫外線(UVR)を用いて、皮膚の美容的な日焼けを促進させるものである。屋内タンニングは、2009年に世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関により、ヒトに対する発がん性物質として公式に分類された。屋内での日焼けを求める行動は、性別や年齢に大きく影響される魅力的な外見、ニキビ治療やビタミンDを増加させる、あるいは日焼けは健康な習慣であるというような誤解によって広まったと思われる。
今回のレビューでは、日焼けマシンの使用率、日焼けマシン使用者の傾向、また、日焼けマシンと皮膚黒色腫、基底細胞がん(BCC)、皮膚扁平上皮がん(cSCC)などの皮膚がんとの関連に関する現在のエビデンスを検討した。その結果、サンベッドの使用による皮膚メラノーマ、BCC、cSCCの統計的に有意な高リスクが一貫して証明された。皮膚がんのリスクは、サンベッドの使用頻度が高いほどさらに高く、用量反応関係が明らかだった。また、若い年齢で初めてサンベッドを使用した人でも同様に用量反応関係があることも確認された。サンベッドの使用抑制策としては、サンベッド使用を制限する法律や教育キャンペーン、インターネットやオンライン広告メッセージ、ソーシャルメディアを使ってより多くの人々に屋内タンニングへの注意喚起をアピールすることなどが挙げられた。