世界のフェムケアへの動向

 

 国際的な市場調査会社ユーロモニターインターナショナルは、9月30日、公式サイトのInsightで、世界のフォルムケアの動向について最新の調査結果を発表した。これによると、女性のエンパワーメント活動の拡大、パンデミックに後押しされたセルフケアへの意識が相まって、肌、体、心を含む本質的に統合された多次元的な全体としてのウェルネスの認識が高まっており、ホリスティックなウェルネスレンズを通じて、フェムケアを再定義するビジネスの動きが加速しているようだ。

 フェムケア(Femcare)とは、Feminine(女性の)とCare(ケア)を合わせた造語で、女性特有の性やホルモン分泌に関連した悩みを解決してくれる製品やサービスのことを意味する。月経、妊娠、更年期、性生活や性感染症など、性に関連した問題を解消するケアでもある。

 同社のVoice of the Consumer Beauty Survey 2022によると、15歳から 44歳のグループの女性の26%が、月経周期が皮膚に及ぼす影響は大きいと報告している。その一方、ホルモンの変動に適したスキンケア製品を探していたのはわずか11% だった。この知識のギャップは、開発企業にとって大きなビジネスチャンスだと期待される。例えば、L’Oréalは月経追跡アプリ開発のClueや美容ブランドのAmareta、Faace、Typologyと提携してフェムケアに特化した製品開発に乗り出している。

 セクシュアル ウェルネスに関しては、米国で近年ビジネスが加速している。米フェムケアブランドであるLOLAは、婦人科医が承認した潤滑コンドーム、潤滑剤、クレンジングワイプのコレクション「Sex by LOLA」を2018年に発売し、2021年には受胎能に優しい潤滑剤、プレジャージェル、プロバイオティクスを含む製品など販売製品を拡大した。セクシュアルウェルネスの製品はビューティーやパーソナルケア製品と並んで、アメリカの化粧品専門店Ulta Beauty、Bluemercury、Sephoraなどで販売されている。

 尿失禁ケアについては、発生率は一般的に年齢とともに増加するが、手術、妊娠、出産、喫煙、がん治療、肥満、糖尿病、脳卒中、高血圧、神経障害などの年齢にとらわれない健康状態により、すべての年齢層に影響を与える可能性があるという。同社のVoice of the Consumer Health and Nutrition Survey 2022によると、15歳から44歳のグループの54%の女性が、中等度から重度の失禁の影響を経験しており、52%が失禁のために月経パッド/ライナーを使用していることが報告されている。