韓国の美容専門家が注視するKビューティの7つのトレンド
化粧品OEMのプラットフォームを展開するCosmepolitan Pte.は、8月29日、韓国で化粧品の研究開発・生産・販売を行なうADWIN KOREA CORP.が選定した「2022年に注目すべき7つの化粧品キーワード」と、関連する開発製品を発表した。7つのキーワードは次の通り。
韓国で2022年に注目すべき7つの化粧品キーワード
1. Foodmetics (フードメティックス)
「Foodmetics(=Food+Cosmetics)」は、食品を重要成分にしたり食品のパッケージを摸倣したコスメのことを示す。2016年頃に流行した「食品を模倣したコスメ」がさらにパワーアップして回帰すると予想されており、最近では、果物・コーヒー・チョコレート・緑茶などを重要成分にしたものや、食品自体をそのまま投入している製品が出てきた。さらに、パッケージに植物を印刷する、食品のパッケージデザインを転用するなど、内外問わず食品の要素が組み込まれたFoodmetics (フードメティックス)コスメが消費者の注目を再び集めている。
2. Homesthetic (ホーメステティック)
「Homesthetic(=Home+Aesthetic)」は、エステサロンに匹敵する効果が期待できる化粧品や美容機器製品を自宅で使用し、より質の高いスキンケアを求めるライフスタイルのことを意味する。過去にはそこまで注目されていなかった「皮膚の部位別集中ケア」商品が増加。手足・ひじ・かかと・唇・胸・お尻など、細分化された部位をケアするマスクパックやクリーム製品などの売上が増加傾向にある。
3. Hybrid Beauty (ハイブリットビューティー)
「Hybrid Beauty (ハイブリットビューティー)」とは、1つの製品がいくつもの機能を持った化粧品のことで、マイクロニードルとハイドロゲルアイパッチを調和させた「ジェル+マイクロパッチ」が代表的な製品事例。昨年、K-beauty専門家が注目するテクスチャで1位となった「トランスフォーミング」も合わせて注目されている。テクスチャが変化する視覚的面白さと、変わるたびに期待される肌への効果が高く評価されたと見られる。トランスフォーミング製品として知られているのは、「バーム→オイル」「ジェル→ムース」など形状が変わるクレンザーや「ジェル→フォーム→ゴマージュ」と変化する角質除去剤などが挙げられる。
4. Well Sleeping (ウェルスリーピング)
「Well Sleeping(ウェルスリーピング)」とは、新陳代謝が最も活発な深夜を活用し、寝ている間にスキンケアを完了させてしまう習慣のこと。
メラトニックが皮膚再生能力を高める夜中〜朝方2時までの時間帯は、肌管理の「ゴールデンタイム」と呼ばれており、特に深夜12時ごろは皮膚が緩みリセットされる「Midnight Renewal(ミッドナイトリニューアル)」を迎えるため、肌回復の絶好の機会と言われている。こうした深夜の時間帯を活用し、日中に使用が難しい「集中ケアアイテム」を使用する習慣が普及している。過去3年間「アンチエイジングセラム」、「スリーピングマスク」、「ナイトアイクリーム」など、シワと老化防止に焦点をあてた製品が増加。また、かかとの角質を除去する「ヒールエクスポリエイティングマスク」、皮膚に直接有効成分を与える「マイクロニードルパッチ」、寝ている間にシワをケアする「アンダーアイゲルマスク」、スポットトラブルを緩和する「スポットクリアパッチ」なども代表的な開発製品になる。
5. Microbiome (マイクロバイオーム)
マイクロバイオームとは、「微生物(Microbe)」と「生物群系(Biome)」の合成語で、ヒトの身体に住んでいる微生物の有益な生態系を意味する。近年これらの研究が進むにつれ「マイクロバイオーム」による疾患予防が注目されている。韓国のポータルサイト「ウーマンデイリー」によれば、コロナ以降マスクトラブルの検索件数が最大32倍にも増加した、という。マスクの長時間着用により敏感になった皮膚の免疫力アップが求められる中、「マイクロバイオーム」が未来の化粧品産業をリードする分野として急浮上した。
グローバル市場調査機関である『フロスト&サリバン』は、グローバルマイクロバイオーム市場が2020年872億ドル規模であり毎年7.6%ずつ成長、2023年には1087億ドルになると予想。
6. Gentleansing (ジェントレンジング)
マスクの長期使用で皮膚の刺激や皮膚トラブルの苦痛を訴える消費者が急増し、「肌に優しいが強力なクレンジング」「スキンケア機能が含まれたクレンジング」など、いわゆる「Gentleansing(ジェントレンジング)」が話題となっている。クレンジングに対し「洗浄力」だけでなく、皮膚鎮静・保湿・アンチエイジングなどの「スキンケア機能」を求める傾向へと変化。これに伴い、マルチ機能が含まれたクレンジング製品も一挙に登場した。ディープクレンジングが可能な「クレンジングバーム」、クレンジング・角質除去・皮膚のキメを整える機能が複合された「3インワンクレンジングパッド」、クレンジング・角質除去・バブルパックを同時に楽しめる「バブルゴマージュパック」などが代表的な製品例。
7. Better Barrier (ベターバリア)
「Better Barrier(ベターバリア)」とは、今の皮膚状態よりもさらに良い状態にするため「皮膚本来の力を育てる」という考え方で、コロナ時代に新たに誕生したキーワードになる。
パンデミック後の化粧品使用習慣の変化が影響を受けたこともあり、2021年 K-Beauty専門家たちに注目された成分として、皮膚免疫・トラブル鎮静・低刺激などに特化した成分が上位に入った。
これまでトラブルケアと言えば、植物性・低刺激・天然といったコンセプトが人気だったが、この「ベターバリア」の普及により、乳酸菌・セラミド・ビタミン・ペプチドなど、傷んだ皮膚の免疫力を高める「免疫ケア」の消費者ニーズが拡大すると予想される。