男性の目尻のシワは女性より10年以上早く形成 資生堂が知見

 

株式会社資生堂(東京都中央区/代表取締役社長兼CEO:魚谷雅彦)は11月15日、レプリカ法※を用いた3次元シワ解析と独自開発の統計解析を活用し、男性の目尻のシワは女性よりも10年以上早く形成されることを発見したと発表した(図1)。

図1

※:シリコーン樹脂を肌に塗布して作成したシワのレプリカを介してその凹凸を調べる方法

本知見では、男性が酸化ダメージや紫外線に対して女性よりも感受性が高いという「皮膚生理的な特徴」や、スキンケア・サンケア意識の違いという「生活習慣の特徴」などが原因で生じていると考えられている。

そのため特徴に応じた最適なお手入れや早期からのアンチエイジングケアなどを行うことで、自分らしく健やかで美しい肌へと導くことができる可能性があるとしている。

今回の知見を得るために、まず男女の真皮の状態の違いを調べることから始めた。その結果、肌のハリや弾力をもたらす真皮のコラーゲンなどを分解する酵素である“MMP9”の量が男性は女性よりも多いことを確認した(図2)。

また、20代から60代男女を対象に、頬の深部(主に真皮)における肌の弾力・ハリの指標を調査した結果、全年代において男性の方が値が低く、特に20代から40代において顕著に差があることが明らかになった(図3)。

図2,3

さらに日本人男女の目尻のシワを、レプリカ法を用いて転写・測定し、その体積を同社独自のシワレベル別に比較した。その結果、どの年代においても男性の方がシワの体積が大きく、シワが進行している傾向がみられた。特に、30代から50代においては.、一世代上の群の女性と類似のシワ体積分布になっていることが確認された(図4)。

こで、同社独自の解析手法を用いてシワの形成・発達における男女間の年齢差を計算すると、30歳から50歳の男性では女性と比較して10.9歳早くシワが発達・形成していることが推定された(図5)。

図4,5

同社は、今回得られた結果から、紫外線や酸化に対する感受性の高さと、それに伴う炎症指標の増大などによって、男女の肌の加齢変化の差を引き起こしていると推察している。

そして今後については、得られた知見を応用し、男性に特徴的な皮膚生理に応じた新しいアプローチを提案していくとコメントしている。