資生堂、高精度な「たるみ」評価法の開発に成功

 

株式会社資生堂(東京都中央区/代表取締役社長兼CEO:魚谷雅彦)は10月22日、世界で初めて※定量性のある高精度な「たるみ」評価法の開発に成功したと発表した。

※同社発表資料による

今回、重力で顔が変形することにより発生する「たるみ」を正確に測定するために、3次元カメラを用いて全顔の形状を、姿勢を変えて撮影した。

それを分析した結果、座位と仰臥位(あおむけ)の顔形状から算出した体積差分を変換した「たるみ指数」は、実年齢の相関以上に、見た目の年齢を表している「たるみ」スコア(視感評価値)と、より相関性が高いことが分かった (図1, 2)。

図1,2

また、「たるみ指数」1cc(単位)分の変化は見た目年齢で6.7歳分に相当することも分かった。つまり、「たるみ指数」と視感評価値の関係から、見た目年齢の変化を正確に推定することが可能となった。さらに、「たるみ指数」は、「たるみ」と認識される顔形状の要素を的確に表すことから、この評価法を用いて客観的かつ定量的に「たるみ」を評価できると考えられた。

そこで、「たるみ指数」を利用したたるみ評価法の妥当性を検証するため、「たるみ」に効果が期待される成分を用いて2週間の連用テストを行った。

評価法の検証には、「たるみ」に効果のある「赤松抽出液」「十薬抽出液」を配合した試作品に、今回新たに考案した独自の使用ステップやセルフマッサージを加えた美容法を組み合わせた。その結果、連用前後で有意に「たるみ指数」が減少したことから、2週間の期間における「たるみ」の改善を評価できることが確認できた(図3, 4)。

図3,4

また、今回検出された有意な「たるみ指数」の約0.29cc分の減少は、およそ2歳分の「たるみ」が改善したことを意味しいる。

さらに各被験者個人の「たるみ指数」から、参加した被験者のうち55%の人で、明らかに「たるみ」が改善していることも確認した。

同社は今後の活動について「『たるみ』研究においては、今回開発した評価法を用いてアンチエイジングソリューションの革新を進めるとともに、先進的な皮膚科学研究に基づくメカニズム、皮膚内部を測定する測定法や評価法、効果的な成分探索、優れた美容メソッドの開発など、さまざまな側面からのアプローチを行っていきます」と述べている。