冬虫夏草とルバーブ 表皮細胞が産生するタンパク質「RANKL」の増加機能を確認

 

株式会社ノエビア(神戸本社:兵庫県神戸市/代表取締役社長:海田安夫)は9月17日、表皮の免疫細胞であるランゲルハンス細胞が多い皮膚は、バリア機能が高く、色みが明るいことを見出しと発表した。

さらに、ランゲルハンス細胞の生存維持に重要で表皮細胞が産生するタンパク質「RANKL」を増加させる素材の探索を行った結果、伝統的な滋養強壮の生薬である冬虫夏草とルバーブ※が相乗的に「RANKL」を増加させることを発見した。

※自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム」にて有機栽培。シベリアでも生育する生命力の強い植物。

今回の研究成果は3つあり、それぞれ次のようなものだ。

●ランゲルハンス細胞は加齢により減少することを確認
20代及び50-60代女性の頬部からテープストリッピング法により回収し抽出したタンパク質について解析を行った。その結果、ランゲルハンス細胞の指標であるランゲリンは20代よりも50-60代の方が少ないことが確認された(グラフ:ランゲリンの存在量)。

●ランゲルハンス細胞が多い皮膚はバリア機能が高く、色みが明るいことを発見
50-60代女性を対象に角層中のランゲリンと皮膚状態の相関関係を解析した。その結果、ランゲリンとバリア機能低下の指標である水分蒸散量及び黄みの指標であるb値に負の相関が、明るさの指標であるL値に正の相関が認められた。これにより、ランゲルハンス細胞が多い皮膚はバリア機能が高く、色みが明るいことが示された(図:ランゲリンと皮膚状態の相関関係)。

ランゲリンと皮膚状態の相関関係

●冬虫夏草とルバーブがランゲルハンス細胞を維持するタンパク質「RANKL」の発現を相乗的に増加させることを発見
表皮細胞において、ランゲルハンス細胞の維持に重要なタンパク質「RANKL」の発現を増加させる素材を探索した結果、自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム」で有機栽培したルバーブに効果があることが明らかになった。さらに、ルバーブによる効果は冬虫夏草により相乗的に増加することも明らかになった(グラフ:RANKLの発現比率)。

また、ランゲルハンス細胞が多い皮膚はバリア機能が高く、色みが明るいことを発見した。さらに、冬虫夏草及びルバーブがランゲルハンス細胞を維持するタンパク質「RANKL」の発現を相乗的に増加させることも明らかになった。

同社は今後の展開について「今回の研究により皮膚免疫に重要なランゲルハンス細胞の数と皮膚のバリア機能や色みに相関関係があることが明らかになりました。皮膚の免疫機能とバリア機能の低下は、将来的なシワ、シミ、たるみなどの老化による肌悩みにもつながります」とした上で、「加齢により減少するランゲルハンス細胞を維持することは老化予防に重要と考えられます。冬虫夏草及びルバーブはランゲルハンス細胞を維持するタンパク質『RANKL』の発現を増加させることから、皮膚の免疫機能とバリア機能、保湿機能を高め、皮膚色を明るくする可能性が示唆されました。今後はこの研究成果を基礎化粧品の開発へ応用する予定です」と述べている。