酵素「MITOL」減少が肌老化を加速させる可能性を発見
大正製薬株式会社(東京都豊島区/社長:上原 茂)は9月2日、ミトコンドリアに存在する酵素「MITOL」(マイトル)が減少することで、皮膚、細胞が老化する可能性を見出したと発表した。
これまでの研究成果とあわせると、エイジングによりMITOLが減少すると、肌の機能が低下する肌老化に加え、慢性的な炎症状態に陥り、老化が加速する悪循環が生じる可能性が考えられた(下図)。
それによりMITOL減少を防ぐことが、若々しさを保つ新しいアプローチとなると考えられるとしている。
そこで今回、同社が見出したMITOLを増やす複数の成分と肌の美しさの関係について、検討を行った。
その結果、モモ、ハマメリスの葉、ボタンの根から得られる抽出物を組み合わせると、肌の見た目や表面状態、バリア機能に寄与している因子が増えることが確認された(図1、図2)。
また、同社は、それぞれの抽出物単独では効果が認められなかったことから、3つの抽出物を組み合わせることで相乗的な効果が発揮された可能性があるとしている。
これは3つの成分の単独あるいは混合物が肌細胞におけるカリクレイン5、カリクレイン7及びトランスグルタミナーゼ1が遺伝子発現量に与える影響を検討した結果から類推されたものだ。。
実験では、単独群では影響がなかったが、混合物群では遺伝子発現量の増加が確認された。
さらに、3つの成分の組み合わせが、肌のうるおいを保つ可能性(表皮からの水分蒸散を抑える作用)やハリ弾力に効果を示す可能性(紫外線照射時の真皮タンパク質及び真皮タンパク質分解酵素の遺伝子調節作用)も見出した。
以上より、これら3つの成分を組み合わせることにより、肌の見た目や表面状態、うるおい、ハリ弾力に効果を示す可能性が考えられた。
同社はこの研究について「今後もMITOL研究を継続し、エイジングケア商品の開発に応用していきます」としている。