研究財団が『第13回エステティック学術会議』開催

研究財団が『第13回エステティック学術会議』開催

 

第13回のテーマは「お客様が満足するエステティック~知識がつくるエステティシャンの品格~」。

公益財団法人日本エステティック研究財団(東京都港区、理事長 関東裕美)は、2019年9月24日(火)、女性就職支援センターホール(東京都港区)にて『第13回エステティック学術会議』を開催した。

公益財団法人日本エステティック研究財団 関東裕美 理事長

第13回のテーマは「お客様が満足するエステティック~知識がつくるエステティシャンの品格~」

はじめに、関東理事長より「エステティシャンの格を高める必須知識」として化粧品に含まれる成分によるアレルギーの症例を紹介。次いで行なわれた特別講演では、東方大学医学部微生物・感染症学講座教授 舘田一博氏より、オリンピック開催とともに海外より持ち込まれる可能性がある感染症や、これらの感染症がエステティシャンを介して広まる可能性を紹介。また、予防のための衛生管理として「自分を守る お客様を守る衛生管理」が紹介されるなど、エステティック業界で衛生管理を指導する、研究財団ならではの講演が行なわれた。

LGBTのお客様が来店したら?時代に合わせたエステティックのあり方をディスカッション

後半では、A.C.E.ビューテサイエンス研究所 塚田博之氏より、登録サロン630件に対し行なったアンケート結果(回答数154件)を基にした特別講演「リラクセーション効果の検証結果について」が行なわれた。今回のアンケートでは、フェイシャルおよびデコルテへのリラクゼーションマッサージによる気分が温度・心拍の変化などを検証。目に見えない「効果」を数値化することで、リラクゼーションの意義を再認識することができた。

会の最後には、郷和子氏(エステティックバービー代表、日本エステティック協会副理事長)、興梠文香氏(株式会社スリムビューティハウス 営業部マネージャー)、三谷麗奈氏(技能五輪世界二位銀メダリスト/R-BlooM代表)の3名をパネラーに迎え、「いま、知っておくべき知識とは?~高齢化、国際化、多様化の中で~」と題したパネルディスカッションを開催。

「元気で自立したアクティブシニアや、介護が必要なパッシブシニアへの対応」、「LGBTなどの性的マイノリティ・言葉や文化が異なる外国人・様々な障害を持つ方」、「エステティシャンを目指す若者の減少」など、今後エステティックサロンが直面するであろう新たな課題について、若手・ベテラン個人サロン、大手サロンとそれぞれ異なる立場での見解と、サロンでの対応例に関して意見が交わされた。

例えばLGBT。LGBTのお客様に対する対応は問題なく対応できたとしても「男性と同じベッドで寝たくない」というお客様もいる。今後LGBTのお客様を受け入れる場合、現状通っていただいてるお客様への対応も必要になる。また、東京オリンピックの開催時に増加する訪日外国人を通して、日本のエステティックをアピールする絶好のチャンスが到来する。しかし、これらのお客様を受け入れた場合、「アルコール消毒ができないムスリムの方への対応は?」など、文化を反映した対応が必要となる。
今回のパネルディスカッションを通し、日本のエステティックサロンが今後行きあたる新たな課題が浮き彫りとなった。各サロンでも「多様化するお客様への対応」を見直してみてはいかがだろう。

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公益財団法人日本エステティック研究財団