プロとして技術・知識を持つ人材の育成が急務(ドクターセラム株式会社代表:𠮷川育矢)
“当たり前”が大きく変わる世の中になってきた昨今。美容業界も例外ではなく、経営者にはお客様から求められるものの変化に対応する手腕が必須となっている。
理念などいつの時代も変わらず大切なものは曲げないまま、時代の波に乗って未来を切り拓く経営者が「美容業界のこれから」を語った。
見た目重視の時代は終わる〝美=健康〟があるべき姿
今の美容業界に求められているのは、外見だけの美しさではなく、“美=健康”を提供すること。エステサロンには、「このサロンに来ると勉強になる」「ここに来て変われた」と思われるような+αの価値が必要になってくるのではないでしょうか。そういう意味でも、結果を出せるエステティシャンの育成は急務ですし、今後はきちんと教育ができているサロンしか生き残っていけないと思います。
技術に関しては、やる気さえあればどこでもトレーニングできるので、まずはプロとして“自主練をするのが当たり前”という意識付けを行ない、「何がなんでもお客様をきれいにしたい」という想いの強いエステティシャンを育成する必要があります。お客様の体に触れているときにはそこだけに集中し、一人ひとりに合わせたリズムを大切にしながら「絶対にきれいにします」という気持ちで“手当て”をすれば、その熱がお客様にも伝わるはず。逆に想いがないと、通り一遍な施術になりがちです。これは、私がカウンセラーとしてアトピー治療の指導にあたっていたときに実感したことでもあります。ほとんどの人が2〜3カ月で肌がきれいになるのに、ある患者様だけ一向に変化がない。なぜだろうと考えたとき、私自身がその人に対して「こちらの指導を疑う態度で困るな」と思って接していたことに気付いたのです。そして「これは患者様の問題ではなくて私の意識の問題だ」と接し方を変えてみたところ、見事にきれいな肌になりました。つまり、自分の想いは相手に伝わるし、その強い想いこそが、お客様をきれいに導くのです。
正しい情報を取捨選択する目を持つべき
技術や熱い想いと同時に、正しい知識を取捨選択する目も重要です。今は情報社会なので、あらゆる情報が氾濫しています。きちんと取捨選択していかないと、間違った情報に踊らされてしまうことも。例えば、「今はNMNがはやっているんですよ」とメーカーに言われてすぐに飛び付くのではなく、エビデンスやそのエビデンスを導き出すための成分配合量についてもきちんと調べる必要があります。
弊社では、完成した製品を使用して研究および検査を行ない、その結果を発表していますが、ここまで正直にわかりやすくエビデンスを示しているメーカーは多くありません。なかには、実際の製品への成分配合量が、エビデンスで示す成分量まで達していないというケースも。「正しいのかな?」と迷ったら、一カ所で情報を得るのではなく、さまざまな場所から情報を集めること。そこで生まれた矛盾点を突き詰めていくと正しい情報を得られます。
正しい知識と技術を持ったエステティシャンの育成が待たれる一方、今後はサロンのあり方にも変化があるように思います。今までのような多店舗展開型サロンだとどうしても経費がかかり、数字に追われることも。今の時代には「身の丈に合ったサロン」がキーポイントになるかもしれません。最初から大きな売上を狙うのではなく、まずは自分一人、手と目の届く範囲でお客様に対して真摯に向き合い、寄り添っていく。それが信頼へと結び付けば、おのずと結果もついてくると思います。
経営者の選択 “成功の鍵”
シルクフィブロインに対する可能性への信頼
前職でシルクフィブロインの可能性を知った私は、企業内で製品化を提案しましたが採用されませんでした。けれど、どうしても諦め切れずに独立・起業することに。一人で製品化するにあたり困難もありましたが、欧州のハイブランドも使用しているシルクをブラジルから輸入することができ、製品化を実現しました。シルクフィブロインのメカニズムは簡単ですが、とても奥が深く、まだまだ解明できないことがたくさん。シルクの魅力に取り憑かれ独立を選択したことが、私の成功の鍵といえます。
𠮷川 育矢(ドクターセラム株式会社)
代表取締役
化粧品の原料を扱う会社に在籍中、シルクの有用性に魅せられ、健康食品として応用することに情熱を燃やすように。2005年にドクターセラム(株)を設立。自社のシルク製品の普及をはじめ、医療カウンセラーやエステティックアカデミーの講師を務めるなど、医療・美容分野で幅広く活躍。
COMPANY DATA
ダイエットの要である中性脂肪や血糖値に着目したシルクフィブロインタンパクのサプリメントの製品化に成功。そのほか『セラムアンジェ』や『セラムヴィーナスカレント』など、話題の製品を次々と発表。「お客様に満足いただける製品」「効果を実感していただける商材づくり」をモットーに、エビデンスに基づいた化粧品・健康食品の企画・製造およびOEM製品の実現。