エステティックサービスによる危害の現状と安全確保のための方策

実施の理由
全国の消費生活センターには、エステティックサービス(以下、エステ)を受けたために身体に被害を受けたというトラブルが年間約500件寄せられている。

本調査は、(1)PIO-NET情報の分析、(2)苦情事例の追跡調査結果、(3)消費者へのアンケート調査等を基に、エステによる危害の現状を明らかにし、エステの安全確保のための方策を検討し、行政、業界団体等関係機関に対して要望をし、消費者へのアドバイスを行うことを目的として実施した。

結果・問題点
1.苦情の動向
1990年度以降のPIO-NETに収集されたエステによる危害情報は4,185件。エステによる危害件数は、年度による増減はあるものの、90年度の236件、92年度379件、96年度482件、99年度545件で趨勢として増加している。全相談に占める危害情報の割合が1.2%であるのに対し、エステ(全体)では危害情報が5.3%もあり、エステは危害発生の割合が高い。危害の発生割合が高いエステの種類は、脱毛エステ(7.8%)、フェイシャルエステ(7.1%)であった。

2.個別苦情事例(17例)の調査結果
推定される危害の発生原因は、(1)医行為に相当する行為が無資格者によってなされている。医師法により、医師でなければ医業を行えないこととなっているが、医行為であっても、医師免許を有しない者により行われているケースが多い。(2)エステティシャンの技術不足や不注意による等の問題点があった。