加齢で弱まる細胞活性の要因を解明 効果的なエイジングケア開発に期待

 

ポーラ化成工業株式会社(神奈川県横浜市/代表取締役社長:釘丸和也)は6月、細胞内の 「エネルギー工場」であるミトコンドリアのなかで、酸素を利用してエネルギーを生み出す場である「クリステ」について研究し、次の2点を突き止めたと発表した。

①老化した細胞では、クリステ形成を促進するOPA1と呼ばれる因子の発現が減ってしまう
②ホップエキスには、クリステ形成を促進する因子の発現を増やす作用がある

細胞は分裂できる回数が決まっている。そこで同社は、老化させた真皮線維芽細胞で、クリステ形成促進因子の発現量を調べたところ、老化していない細胞に比べて減っていることを発見した。

次に同社は、減少したクリステ形成促進因子を増やすエキスを探索するため、老化した状態の細胞にさまざまなエキスを添加する実験を行った。

その結果、ホップエキスにクリステ形成促進因子の発現を増やす作用を発見した。実際に電子顕微鏡を用いて実際にクリステを観察したところ、細胞老化により減少していたクリステの構造が、ホップエキスの添加により回復していることが確認できた(下図参照)。

また同社は、工場にあたるミトコンドリア自体の量を増やすことにも挑戦し、紫茶(ムラサキチャ)のエキスにミトコンドリア生合成を促進する因子の発現を増やす作用を見出したとしている。

そして、これらを上手に活用することで、より効果的なエイジングケア効果が可能になると期待を寄せている。