エステティック業及び関連業種の調査データ集

1.エステティック業の市場規模推移

『2020年版エステティックサロンマーケティング総監』(発行:㈱矢野経済研究所発行)のプレスリリースによれば、2019年度のエステティックサロン市場規模は事業者売上高ベースで3,602億円、前年度比100.3%の微増推移を見込む。

2019年度は、施術の脱毛分野とともに物販が支えた。物販分野の伸長要因は商品力と販路拡大である。その事例のひとつとして、サロン運営企業が機能は本格的でありながら家庭用として手軽な脱毛機器を開発、手頃な値段で提供し、大手インターネット通販サイトなどへの出店を拡大したことで、店頭に来店した際に限定されていた販売機会を大きく広げたことにある。従来施術の販売状況に物販は連動するとされていたが、2019年度は必ずしもそうではない状況であった。

施術分野においては、依然として人材不足が指摘されている。新たな採用にあたっては、主な対象である20~30代女性で且つ接客業に適した人材の量的確保は、依然として困難であることが要因である。そのためサロン運営企業の多くは、一部を除いて拙速な新規出店ではなく、既存店強化に軸足を置いている。

※引用元:プレスリリース
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2342※現在は非公開

2.2018年度のエステティックサービスは相談件数も危害件数

独立行政法人国民生活センターが2019年8月8日に公表した、「2018年度のPIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)にみる「消費生活相談の概要」、「危害・危険情報の概要」によれば、2018年度のエステティックサービスの相談件数は、前年比-2,293件の6,392件と、減少件数の多い商品・役務の4位になりました。

また危害情報も前年比-42件の406件となり、エステティックサービス全体の相談件数が減少しました。

※引用元:報道発表資料
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20190808_3.pdf
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20190808_4.pdf

3.ネイル産業の市場規模の推移とサロン数の推移

『ネイル白書2020』(発行:NPO法人日本ネイリスト協会)によれば、2018年のネイル産業市場規模全体では、前年比1.2%とわずかながら増加傾向が続き、減少傾向が続くネイル教育市場は74.5億円となっています。

またネイルサービス市場は、小規模な施設が増加しているものの市場の伸びは小さく、市場の成熟化が進んだことに加えてジェルネイルが中心となってサーヒースが低価格化していることが大きな要因であると指摘しています。

消費者向けネイル製品市場は売上の縮小傾向が続いていたが、近年は訪日外国人の増加によるインバウンド需要も消費者向けネイル製品市場を支える要因と、分析しています。

4.理美容業の市場規模推移と理美容師数及び店舗数

2019年10月31日に厚生労働省が発表した衛生行政報告によれば、2019年3月末の美容所数は前年より3562店(1.4%)増え、過去最多の25万1140店。また理容所数は前年より1912店減少(-1.6%)し、11万9053店になりました。

従業美容師数は前年比1万0271人(2.0%)増えて53万3814人。1店舗当たりの従業美容師数は2.13人。

従業理容師数は前年比3067人(-1.4%)減り、21万8030人。1店舗当たりの従業理容師数は1.83人となっています。

また、『2019年版理美容マーケティング総監』(発行:㈱矢野経済研究所発行)には、2018年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比99.6%の2兆1,382億円(美容業1兆5,047億円、理容業6,335億円)と報告、市場概況については次のように分析しています。

「理容市場は若年男性を中心とした美容室需要や、低価格理容チェーンの利用が進み、ヘアカットなどに特化した実利的な施術メニューを重視する傾向が強まっている。

美容市場は付加価値型サロンと施術メニューやサービスを特化した低価格サロンチェーンの2極分化が進行している。基本に立ち返り、技術や施術サービスのみならず、接客全体に磨きをかけることで、付加価値に見合った適切な価格設定に回帰するサロンもある。また他の美容サービスとの協業を図り、相互の集客を促すなどの動きも進んでいる。このほか、生産性向上の観点から、客単価アップのための強化策として、ヘアケアを中心とした店舗での物品販売を推進していることなどから、市場規模は前年並みで推移している」。