創業25周年を機にギアチェンジ積極的に歩みを進める(株式会社ピュアリー:志田 伊織)

“当たり前”が大きく変わる世の中になってきた昨今。美容業界も例外ではなく、経営者にはお客様から求められるものの変化に対応する手腕が必須となっている。

理念などいつの時代も変わらず大切なものは曲げないまま、時代の波に乗って未来を切り拓く経営者が「美容業界のこれから」を語った。

製品開発にコンテスト開催サロンを楽しませる一年に

 昨年の8月、弊社は25周年を迎えました。節目となる年を迎えるにあたり、いつも以上に積極的な活動をした年だったと思います。まず取り組んだのは、4つの新製品の開発。完成次第順次リリースという形をとっており、現在の販売製品はクレンジングとニードルパッチの2種類です。『ピュールビオ クレンジングジェル』は、昨年夏に発売。洗浄後の乾燥をいかに防ぐかというポイントにこだわり、多様な植物エキスを配合することでしっかり保湿をしながらのメイクオフを実現しました。もう1製品は、シミケア機器『オセロ』の効果をさらに高めるために開発した店販品『ピュールビオTMVCパッチ』。170本のニードルを、弊社が採用した特許圧縮工法*によって均一にパッチに搭載した、肌に新感覚をもたらす製品です。このほかにも近日中に、ホワイトニングローションとクリームの発売を予定しています。

また『オセロ』に関連した新たな取り組みとして、導入店を対象とした「第1回オセロビューティーコンテスト」を開催しました。昨年5月に開催した25周年記念パーティー中に執り行なったのですが、「効果的な施術方法を知ることができた」といった声が上がり、エステティシャンの知識と技術の向上の機会になっすので、今からどのような結果になるのか楽しみです。

 

人とのつながりと、誠実で前向きな心持ちを大切に

 この3年にわたるコロナ禍や近年のSNSの台頭など、美容業界は今さまざまな面で変化を余儀なくされています。参入しやすいといわれる業界ですが、一方で開業から10年後のエステサロン存続率が5%という厳しい数字があるのも事実。エステティシャンは、技術や製品の知識を身に付けるのはもちろん、経営に関してもしっかり学ばなければなりません。また多くの競合店がひしめくなか、自分自身の強みを理解し、活かしていく必要もあるでしょう。この業界は孤軍奮闘している人も多く、一人で悩んだ結果、間違った決定をしてしまうことも。そうならないよう、ぜひサロンの皆様には横のつながりを積極的につくってほしいと思っています。近くに同業者がいない、どうつながったらいいのかわからないという場合は(一社)エステティックグランプリなど業界団体にアクセスしてみるのも一つの手です。周囲の人もどんどん活用しましょう。

先に述べた自身の強みなどは、わからなければ人から聞くのが一番。お客様や従業員、友人に聞けば見えてくるものもあるはず。変化の激しい時代だからこそ多くの人を巻き込んで、誠実かつ積極的に動いていくことが明るい未来へつながるのではないでしょうか。弊社も、一時はサロンの売上の落ち込みや海外展開の滞りがありましたが、この考えに基づき前に進んできたおかげか、堅調に成長しています。今年も、サロンとそのお客様のための製品作りを真摯に行なっていくとともに、より多くの皆様からの要望と期待に応える礎づくりもしっかり行なっていきたいと思っている所存です。

経営者の選択“成功の鍵”

理念の振り返りで未来への道筋を明確に

創業25周年を機に、これまで大切にしてきた理念を、社内外どちらにとってもわかりやすく印象的なものになるようにリニューアルするとともに、コーポレートサイトを立ち上げました。そして、新たに弊社の柱となるべきスローガンも追加。「ともに紡ぐ、美しく」は、何千という文言の中から考えに考え抜いた、私たちがこの先の未来でも美を提供するための努力を続けていくという宣言です。この言葉を心に刻み、発信することで、より明るく確かな未来が見えてくると信じています。

志田 伊織株式会社ピュアリー

代表取締役

化粧品メーカー・エステサロンを経営。環境問題への関心から『ピュールビオ』シリーズは、「オーガニック×結果」で国内外で好評を博すラインアップに成長。美容業界全体の地位向上を目指した(一社)エステティックグランプリの立ち上げに尽力し、同法人の初代理事長を務めた。

COMPANY DATA

1998年設立。山梨県内で、地域に愛されるサロン「ピュアリー」を経営するほか、化粧品や香水、栄養補助食品の製造・通販など、女性の美と健康を総合的にサポートする事業を手がける。ほかにも、コンサルティング業やデジタルコンテンツ制作を展開するなど日々事業を拡大。2021年からは持続可能な社会づくりを意識した新たな取り組みを海外で始動させる。