秋口のくすみ、ゴワつき、シワやシミの元はどうすればいい? ~夏の肌疲れ対策~
日やけ止めや保湿をしっかりしていたはずなのに、肌の調子がイマイチ・・・。
秋のはじまりに実感する夏の肌疲れについて、皮膚科医の赤須先生に教えていただきました。
目 次
- 夏の肌疲れ 基礎知識 編 夏の肌疲れの要因と具体的な症状
- 夏の肌疲れ お手入れ方法 編 ダメージを受けた肌は、積極的にリセット!
- 夏の肌疲れ 予防ケア 編 来年の夏に備えて、肌ケアを再確認!
- 夏の肌疲れ 行く末 編 対策をしなかった場合、肌に及ぼす影響
- ちょっと気になるコラム 紫外線によるホクロへの影響や皮膚がんについて
- 最後に、赤須先生からのメッセージ
Profile 赤須医院院長
赤須 玲子 先生
山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。
著書:「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)など。
○医学博士
○日本皮膚科学会専門医
○株式会社シーボン顧問皮膚科医
夏の肌疲れ 基礎知識 編
夏の肌疲れの要因と具体的な症状
Q .夏の肌疲れの要因とは?
肌を疲れさせる要因は主に汗や乾燥、紫外線のダメージが挙げられます。
汗による刺激や冷房による乾燥の影響を知らぬうちに受けています。また、紫外線のUV-A、UV-Bを肌に浴びることで、シワやシミなどの肌悩みにつながります。
Q. 夏の肌疲れってどんな症状?
夏の強い紫外線を浴びることで様々な肌トラブルが現れます。
UV-Bは日やけから水疱形成、皮膚の剥離を引き起こすことがあります。さらにメラニンを増加させたり、皮膚温度の上昇にともなう乾燥なども引き起こします。
UV-Aは肌の深部にまで届き、日やけだけでなくコラーゲンの減少・メラニンの増加へつながります。また角層が厚くなることによるくすみやゴワつき、真皮のダメージによるシワに加え、毛細血管の拡張による赤ら顔、ニキビなどを引き起こします。
あと最近多いのが、首まわりにできるイボです。夏の終わりになると紫外線と汗の刺激で首に小さいイボができやすくなります。20代の後半ぐらいから肌の老化で小さいイボができる方もいらっしゃいます。
夏の肌疲れ お手入れ方法 編
ダメージを受けた肌は、積極的にリセット!
Q.この時期の具体的なケアは?
秋口はまだ「皮膚の角質太り=角層が厚くなり、くすみやゴワつきがある」状態にあります。
9月は古い角質を取り除いて、皮膚のターンオーバーを正常に整える時期です。また、シミやそばかす、ホクロが増えたと感じる時期ですので、積極的なお手入れが必要です。
洗顔は、不要な角質を取り除くことのできる酵素入り洗顔料やAHA入りがおすすめです。酵素はタンパク質を分解します。角質もタンパク質でできているので自然に古い角質を落とす作用がある酵素入りの洗顔料は非常に有効です。それでも気になるときは、AHA入りの洗顔料で、角質を取り除くのもいいかもしれません。
顔のシェービングもピーリングと同様に、厚い角質を取り除く効果が期待できます。また、産毛が生える口周りや額などもシェービングしておくと、顔色が明るく見えることもあります。月に1回程度で、ジェルなどを使用すれば摩擦によるダメージなどを軽減してくれます。
保湿は、紫外線や冷房による肌の乾燥対策には欠かせません。特に古い角質を取り除いた肌は、無防備な状態になっています。表皮の肌バリアに大切なセラミドなどの細保湿成分を含んだ化粧水などでお手入れしてください。
美白(※)やシワ対策としては、ビタミンC誘導体やビタミンA誘導体を含む医薬部外品の美容液の使用やパックがおすすめです。また、ナイアシンアミドのようにシワ改善、シミ予防のどちらにも効果のある成分もありますので、化粧品の外箱などに書かれている成分を確認して選んでみてください。また、実際に肌チェックをしてフェイシャリスト®(※)の方におすすめのケアを提案してもらうのもいいと思います。
Q .リセットにかかる時間は?
新しい細胞が生まれてから垢となって落ちるまでの期間、つまり1か月ほどで肌は回復します。年齢とともにそのサイクルは遅くなるため、およそ4~6週間ぐらいで元の状態に戻ると考えていただいていいと思います。
その間、しっかりお手入れすることで、秋が深まるころにはいい肌状態で秋冬のスキンケアをはじめられます。ただし、できてしまったイボやホクロに対してはスキンケアでの対処は難しいため、作らないようにすることが大切です。
夏の肌疲れ 予防ケア 編
来年の夏に備えて、肌ケアを再確認!
Q.夏の肌疲れを最小限に抑えるには?
夏の肌疲れの症状は、日やけ止めの使用や肌を露出しない服装、日傘や帽子の使用などの紫外線対策を行うことでかなり回避できます。さらに洗顔や保湿は丁寧に行い、紫外線を浴びてしまったあとは、肌を冷やすなどの基本的なことは必ず行いましょう。
夏は汗もかくし、皮脂の分泌も多いですが、紫外線やエアコンの影響で実は乾燥していることもあります。夏でも化粧水や美容液などで保湿を心がけましょう。
自分の肌が乾燥を感じない程度で、秋冬ほどたくさんつける必要はありません。
Q.冷たいものは控えめにしたほうがいい?
冷たいドリンクやアイスなどの糖分や水分で空腹が満たされてしまうと、食事のバランスが乱れてしまいます。内臓が冷えたり、タンパク質不足になったりすると、肌はもちろん内臓の機能も低下して、免疫力も下がってしまいます。暑い時季ほど、肌疲れを防ぐためにも冷たいものは控えめに、栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。
夏の肌疲れ 行く末 編
対策をしなかった場合、肌に及ぼす影響
Q .夏の肌疲れを放置していると、どうなる?
その年の秋から冬にかけては、くすみやシミ、皮膚のゴワツキ、シワなどが目立つようになります。
5年、10年後の変化としては、個人差はありますが、本来なら薄くなるはずの皮膚の厚みが増し、硬い皮膚になります。すると肌はたるみ、毛穴も目立ちやすくなります。また、シミを放置すると黒くゴツゴツした脂漏性角化症(皮膚腫瘍)になり、皮膚がんの発生にもつながることもあります。
ちょっと気になるコラム
紫外線によるホクロへの影響や皮膚がんについて
日本人の場合、それほど多くはありませんが、海外では悪性黒色腫=メラノーマが増えてきています。これには紫外線が大きく関与していると言われています。
急にホクロのようなものが出てきたら、その中に皮膚ガンが潜んでいることが稀にあります。急激に大きくなったり、赤い縁取りがあるような変な形をしているものがあれば、皮膚科に行って調べてもらいましょう。
また“赤いシミ”が出てきた場合も注意してください。シミは薄茶色ですが、赤い場合は皮膚の扁平上皮がんの可能性があります。最初は湿疹のようで見分けがつきにくいため、こちらも早めに皮膚科医に診てもらうようにしてください。
近年、美容外科の敷居が低くなり、ホクロやシミを手軽にレーザーで治療する方が増えています。ただその中に稀にガンが潜んでいる場合もあるので、安易にレーザーで消そうとするのではなく、信頼できる皮膚科医、美容外科医に相談し、一つ一つの細胞が確実に良性かどうかを見極めてから施術を受けることをおすすめします。
最後に、赤須先生からのメッセージ
たしかに、夏の肌疲れは肌を老けさせます。でも、生活習慣の見直しやお手入れ次第で変わります。
私のクリニックに南の方で生まれ育ったスタッフがいて、元々肌の印象は暗めでした。幼いころから太陽の光を浴びていると紫外線に無防備だったり、あるいは遺伝的に黒くなりやすかったりということもあるかと思います。それが、お手入れを続けることで、今では美魔女とさえ言われるようになりました。
40歳や50歳と、たとえいくつになっても、肌はリセットできます。日頃から日やけ止めをつけて、夏の肌疲れ対策をしっかりしておくこと。そして、より専門的な知識を持った皮膚科医や、フェイシャルサロンの手をかりる、それに加えて肌に合った美容治療を受けることで、肌は変わっていくはずです。
もし、今の肌が満足いかない状態だとしても、まだまだ肌はリセットできる。自分の肌を信じて、諦めないことが大切です。
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夏の肌疲れ対策が気になるこの時期にこそ、ぜひ毎日のケアに取り入れてみては。